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ピカソってなにがすごいの?【わかりやすく解説】

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記事の要約

英才教育を受けていたピカソ

✓きちんと評価されていた

✓それでもキュビスムを描いた

 

アートに詳しくない人でも
ほとんど知っているくらい
有名なパブロ・ピカソ

彼の代表作の多くはいわゆる
「よくわからない絵」が多いですよね。

そこでこの記事では
ピカソのなにがすごいのか
わかりやすく解説します。


ピカソについて

 

パブロ・ピカソ
パブロ・ピカソ

ピカソのすごさを説明する前に
知っておいてほしい基礎知識
2つあります。

以下の2つです↓

  1. ピカソの子供の頃の絵
  2. キュビスムについて

順に説明します。

ピカソの子供の頃の絵

 

科学と慈愛
「科学と慈愛」1897年

↑の作品はピカソが16歳の頃に
制作したものです。

「え、上手くない!?」

ってなりませんか?

ピカソは幼いころから
芸術家で美術教師でもある父ホセの
英才教育を受けていました。

ですのでピカソは
めちゃくちゃ絵が上手いんです。

 

長いひげの裸体男性像
「長いひげの裸体男性像」1895‐1896年

これはピカソが14~15歳の頃の絵です。

こちらもすごいですね。

ちなみにピカソが13歳~14歳の頃に
父ホセは絵の道具をピカソに譲り、
自らが絵を描くことを辞めたそうです。

その理由が一説によると
自分を凌駕している息子の才能への賞賛
だともいわれており、
ピカソは子供の頃から絵の才能を
認められていたのです。

キュビスムについて

 

アビニヨンの娘たち
「アビニヨンの娘たち」1907年

そしてピカソは1907年に
後のキュビスム革命の発端となる
「アビニョンの娘たち」を制作します。

キュビスムを簡単に説明すると
3次元的なものの見方を2次元(絵)に
落とし込んだ作品です。

ですので↑の作品でも
ある部分は正面から見たものだけど、
ある部分は横から見たものといった感じで
ある対象を取り巻く空間を再構成して
描いていることがわかります。

 

モナ・リザ

それまでの絵画では
絵という2次元のものの中に
いかに対象をリアルに描くかが
重視されていました。

しかし普段私たちが見ている
世界は全て3次元のものです。

よって捉え方によっては
3次元で対象を捉えようとした
キュビスムの方がリアルである
とも言えますね。

 

ピカソの肖像
フアン・グリス「ピカソの肖像」

キュビスムに関する話を
深掘りすると難しくなるので、
今回はこのくらいにしておきます。

そしてとりあえずここまでが
ピカソの基礎知識を
超ざっくりまとめたものになります。

キュビスムと未来派の特徴や代表作を解説

 

ピカソについて
  1. ピカソの子供の頃の絵
    →幼い頃から父の英才教育を受けて超上手かった
  2. キュビスムについて
    →3次元的なものの見方を2次元(絵)に落とし込んだ作品

ピカソ以前の美術史をざっくりと

 

ラス・メニーナス
「ラス・メニーナス」1656年

次にピカソに至るまでの
美術史についても軽く触れておきます。

先ほどキュビスム以前は
対象をいかにリアルに描くかが
重視されていたと説明しました。

ではその絵は誰のために
描かれていたのでしょうか?

 

偶像擁護派

答えは教会、もしくは貴族です。

その当時の画家にとっては
大事なパトロンである教会(教皇など)や
貴族に認められるような上手い絵を
描くことが成功のための第一歩でした。

そして見事に認められてお抱え画家とも
なれれば一生食うに困らないといっても
過言ではないでしょう。

パトロンで振り返る西洋美術史

 

サロン

ですので当時の画家たちは
絵の技術を向上させることの他に、
パトロンが気に入るような絵を描く
ことにも注意を払いました。

「あの伯爵はこんな色合いが好きだ」

「あの夫人が気に入るのはこんな構図だ」

てな感じです。

つまり、ある程度は注文主の好みに
寄せていったわけですね。

今でこそ絵とか美術、芸術とかって
「自己探求や自己表現」のような
高貴で難解なイメージを持っている方も
いるかもしれませんが、
至極ビジネスライクな部分もあったんですよ。
(年代によって捉え方が違いますが)

 

民衆を導く自由の女神
「民衆を導く自由の女神」1830年

ところが時代が進むと
革命などによって教会・貴族が
失墜したりします。

すると絵の買い手はだんだんと
教会、貴族ではなくマーケット
変わっていくのです。

これは画家たちにとって
かなり大きな変化でした。

ちなみにこの時代に前後して
写真の発明もありました。

現代アートはなぜ難しいのか/楽しみ方は?

画家たちはこの時代から
「絵を描くということ」を根本から
見つめ直す必要があったわけですね。

 

買い手の変化
  1. 教会や貴族がパトロン
    注文主が好むような絵を描く戦略が使える
  2. マーケット
    自分の絵を誰が買うかわからない。誰かの好みに寄せる戦略が使えない

マーケットといえど…

 

一般的にマーケットとは画商と呼ばれる
美術の仲介人が絵を仕入れて
ギャラリーで顧客に販売するもの。
もしくはオークションのような
形式を指します。

誰が絵を購入してくれるかが
わからなくなったので、
画家の中にはどのような絵を描くべきか
苦悩した者も少なくありません。

ところがここにも1つ、
画家として食べていくための
隠されたポイントがありました。

 

それは画商に気に入られる
絵を描くことです。

顧客が誰かはわかりませんが、
顧客の手に渡る前には
画商が絵を評価し、
それを顧客にプレゼンしてくれます。

画商にとって画家は投資先です。
画家を育て、宣伝し、商品としての
価値が高くなると利益が出てくる。

ですので画家は画商と上手く結託し、
互いにWin&Winになることが
望ましいことでもありました。

ピカソってなにがすごいの?

 

パブロ・ピカソ
パブロ・ピカソ

お待たせしました。
ここからが私の伝えたい本題です。

ピカソのすごさを説明するのに、
キュビスムの衝撃だったり
アートに革命を起こした!といった
解説もできるのですが、
私は少し違う角度からいきます。

それは、
キュビスムに方向転換したのが
すごいということ。

どういうことかと言うと、
冒頭で説明した通りピカソは
上手く描こうとすれば
いくらでも上手く描ける人でした。

 

科学と慈愛
「科学と慈愛」1897年

先ほど紹介したこの絵も
スペインの国立美術展で入選、
佳作を受賞したりと
立派に評価されていたんです。

ピカソを評価していた画商も
たくさんいたことでしょう。

 

アビニヨンの娘たち

ところがピカソは
方向転換するわけですね。

2次元的に上手な絵に
興味がなくなったといわんばかりに。

で、ピカソのこの行動って
画商からすればとんでもない
奇行だったりするわけです。

 

考える

なんせ画商はそれまでの
ピカソの絵を評価し、
宣伝していたわけですから。

それがいくら芸術上の主張が
正しいとしても、
それまで手塩にかけて育てた画家が
画風を変えてしまうのは
許されることではありません。

現代風に考えると
それまで事務所が大事に育てて、
ブレイクしていたタレントが
いきなり大幅なキャラ変更をしたいと
言い出してきた感じですね。

きっと私が画商でも
「おいおい勘弁してくれ…」
と言いたくなります。

 

大抵の画家はそういった
画商の評価や芸術界での立ち位置を
考慮して大幅な方向転換はしません。

よってピカソは

  • 当初は上手な絵を描いていた
  • その絵が評価されていた
  • それでもなおキュビスムを開始
  • 画商の評価など、社会的な制約がありながらもそれを貫き通した
  • そして革命を起こした

という点ですごいのです。

まさに一般的に考えられている
真のアーティストと言えるかもしれません。

アート思考

 

近年ではアーティストが作品を
創造するときと同じプロセスを用いた
思考法をアート思考と呼んだりします。

自分の内側の感情や感覚を起点に
物事を捉えることです。

「自分だけの答え」とも言われたりします。

そしてその成功例として
よくiPhoneの話が出てきます。

 

社会

少し前までは携帯電話といえば
ガラケーでしたね。

あの時代はどこもこぞって
ガラケータイプの携帯を
売り出していました。

ところがスティーブ・ジョブズは
携帯電話の機能ではなく、
デザインや美しさを重視して
iPhoneを作りました。

私はピカソにもこれと通ずるものを
感じます。

それは当時の社会的評価ではなく
自分がどうしたいかを優先した姿勢
そしてそれを貫き通す強い意志です。

 

絵の解説はあまりしませんでしたが、
ピカソのすごさが伝われば嬉しいです。

 

13歳からのアート思考の感想・レビュー

まとめ

 

パブロ・ピカソ
まとめ

✓幼い頃から絵が上手かった

✓評価を得ていたのにキュビスムに方向転換した

社会的評価を顧みず、成功させた点ですごい芸術家

今回は少し違う角度で
ピカソのすごさを解説しました。

美術史はこの他にも
色んな切り取り方ができます。

ですので切り取り方によって
見え方や学べることもさまざまです。

是非、あなたもアートの世界を
自分なりに切り取ってみて下さい。

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