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あふれるキモさの訳とは!?ドガ「14歳の踊り子」/山田五郎オトナの教養講座⑨

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記事の要約

ドガの変態魂再び

制作過程を知るとキモい

✓晩年はもっとキモい

 

この記事は
山田五郎さんのYoutubeチャンネルである
「山田五郎オトナの教養講座」より、
動画の内容を文字に起こして
解説していくものです。

第9回目のタイトルは
【あふれるキモさの訳とは!?14歳の踊り子

前回に続き、エドガー・ドガの作品
についてです。

まだ動画をみてない方は
是非ご覧になって下さい。

 

 

文字の方が理解しやすい方は
ぜひ最後までお付き合いください。


「14歳の踊り子」滲み出るキモさの訳

 

14歳の小さな踊り子
オリジナル作品

印象派で有名なエドガー・ドガは
彫刻作品を作っていたことでも
知られています。

「14歳の踊り子」はドガが
生前に発表した唯一の彫刻作品で、
現在は28点ほど複製が作られており、
世界中に展示してあります。

 

14歳の踊り子
これは複製

複製はブロンズで制作されていますが、
オリジナルは蜜蝋で作られており、
山田さん曰く「オリジナルがキモい」
そうです(笑)。

ドガの歪んだ性癖などを
まだ知らない方は前回の記事からどうぞ↓

エトワールは元祖NTR(寝取られ)絵画?!

 

作品には布製のチュチュ(衣装)を
使用し、トゥーシューズ(靴)も用意して
彫刻に履かせています。

この作品はモデルになった少女の
2/3スケールで制作されており、
衣装や靴もモデルの少女をもとにドガが
制作しました。

つまりはこの作品を制作するにあたり、
寸法などを取るためドガはモデルの少女を
一度脱がしたりしているわけです。

 

14歳の踊り子
これは複製

さらにオリジナルの作品は、
後頭部の蝋が少し溶けた部分から
(本物の)髪の毛まで出てきているそうです。

その理由は、オリジナルにはドガが
人毛で作ったカツラを被せ、
その上から蝋で固めているから。

(制作段階を想像するとなんとも
気持ちが悪い感じがしますね)

 

14歳の小さな踊り子
オリジナル作品

ドガはこの作品を
第6回印象派展に出品しており、
当時の鑑賞者もこの作品を見て
ドン引きしたそうです。

少女をモデルにした彫刻に
カツラや衣類を着せ、上から更に
蝋で固めた今作は生身の人間を
蝋で固めたかのような雰囲気を
醸し出していたからです。

 

これは複製

ドガは「14歳の踊り子」を制作する前、
全裸の少女の彫刻を作っていたことも
わかっています。

つまり今作品を発表する前にドガは↓

  1. 全裸の少女の彫刻を制作
  2. それをもとにカツラや衣装を制作
  3. 彫刻に着せる
  4. 上から蝋で固める

という順序を踏んでいることになります。

山田さんは全裸の少女の彫刻を
「着せ替え可能な全裸美少女フィギュア」
と呼び、ドガは現代のオタク文化を
100年先取りした存在だと言っています。

ちょっとまずいぞ14歳は

 

エドガー・ドガ
エドガー・ドガ

今作品のモデルになったのは
オペラ座で踊り子をしていた少女で、
名前をマリー・ヴァン・ゴーテムといいます。

作品名にもなっているように
マリーがモデルを務めたのは14歳の時です。

つまりドガは14歳の少女を全裸にし、
いろいろしたわけですね。

これは当時のコンプライアンス的にも
結構ヤバかったそうです。
また、それ以上にそれを行おうとする
ドガの性癖がヤバいです(汗)。

 

実際、他の印象派の仲間からも
この作品はあまり認められなかったそうで、
ドガがこれ以降、彫刻作品を発表する
ことはありませんでした。

しかし、ドガの変態魂は
これで終わったわけではありません。

それはドガの死後に判明します。

変態魂の再発見

 

ドガは60歳代半ばから目が見えなくなり、
83歳で亡くなるまで生涯独身でした。

晩年は作品を発表することもなく
ドガの名も忘れ去られていたといいます。

そして彼の死後、
遺族が遺品を整理していると
アトリエからたくさんの
美少女フィギュアが出てきたそうです…!!

それらはやはりコンプライアンス的に
際どいものばかりで、遺族はギリギリ発表
してもよいものだけを複製して売ろうと
考えました。

以下のような作品(複製)です。

 

ドガはなんと、目が見えなくなってからも
手の感触を頼りに一人で彫刻を
作っていたそうです。

(この事実にはさすがに
遺族も引いていたそうです…)

ギリギリ発表できると判断されたもので
上画像のようなものですから、
発表できなかったものはどんなだったか、
見たいような、見たくないような…

 

14歳の小さな踊り子

ドガの本性を知れば
今作品がどこか気持ちが悪いのも
わかる気がします。

更に山田さんは、ドガは現代の
フィギュア趣味の先駆けでもある
と説明されていました。

 

14歳の踊り子がキモい理由

作った人が生粋の変態だから

彫刻でも目線は外している?

 

14歳の踊り子

前回の絵画の回では、
ドガは女性と目が合わせられないので
彼の描く女性たちは皆視線が合っていない
という話をしました。

それは彫刻でも同じです。

さらにドガは目が悪くなってきたあたりから
写真をよく使うようになったそうです。

理由は目線を合わせられないのに加え、
写真に1度撮ってしまえばキツいポーズを
モデルにとらせても一瞬で済んでしまうし、
モデルの機嫌を伺う必要もないからでは
ないかと山田さんは考察していました。

まとめ

 

エドガー・ドガ
まとめ

✓14歳の踊り子はドガが生前に発表した唯一の彫刻作品

✓14歳を裸にすることは当時のコンプラ的にもNG

✓晩年は目が悪くなり、1人になっても彫刻を作っていた

今回はドガの彫刻作品についてでした。

今回も画家や作品の裏話が
たくさん聞けてとても面白かったです。

次回はミケランジェロについてです。

 

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