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アーティスト「増田有美」/日常へのまなざし/インタビュー記事⑨

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この記事では今を生きる
アーティストの方に着目し、
インタビューさせて頂いた
内容を記していきます。

作品に込められた意図などを
解説するのではなく、
アーティストの方の生い立ちや
考え方を紹介していくものです。

第9回目は
アーティストの増田有美さんです。

気になった方は是非応援、
SNSのフォローをお願い致します。

記事内の画像は全て掲載許可を頂いています


増田有美とは?

 

プロフィール
  • アーティスト名:増田有美
  • 年齢(インタビュー時):40歳
  • 出身:福島県
  • 主な制作:アクリル・色鉛筆画

インタビューに至るまで

 

増田さんのHPより

noteを相互フォローして
頂いていた増田有美さん。

こちらからお声掛けすると
私のnoteも読んで頂いていたようで、
インタビューに快諾して頂けました。

noteがキッカケで
インタビューさせて頂いた
初めてのアーティスト様です。

絵.cocoroのnoteはコチラ

増田有美さんのnoteはコチラ

増田さんのInstagram↓

 

 

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増田有美さんの作品

 

増田さんのHPより

現在はアクリルや色鉛筆で
絵を描くことが多いという増田さん。

増田さんが特徴的なのは、
作中に出てくるモチーフを
自身のホームページで解説してること。

 

増田さんのHPより

例えば鹿の項目では以下のように
解説されています(一部抜粋)。

心の奥底にある本当の気持ち、
もしくは無意識下の潜在意識、
本人も気づけないくらい
ひっそりとしていて目にも見えない、
けれど確かにある非常に強いエネルギー、
あるいはその人を正しい方向に
導いてくれる高い精神性を、
鹿の形を借りて描いています。

特に青い鹿はその中でも神聖な存在です。
誰の中にも存在する、
神聖な自分自身のような存在です。

このような作品の言語化は
増田さんにとって非常に重要です(後述)。

増田さんの生い立ち

 

小さい頃から絵を描くのが
好きだった増田さん。

大学は東京藝術大学に入学し、
油画を専攻しました。

「そこまでは目標通りでした」
と語ってくれた増田さん。

ところが入学後に
さまざまな現実と向き合うことに
なったといいます。

 

その1つが
「画家として生きるのは大変」
ということ。

大学入学までは好きなことを
続けてきたような感じもありましたが、
入学後には周囲の学生との間に
温度差を感じることもあったそうです。

絵で食べていくことの
厳しさを痛感したようでした。

 

その後増田さんは大学院へ進みます。
大学院へ行った理由として、

  • 進路を決めきれなかった
  • 絵を描くのは大学で終わりと思っていた

と語ってくれました。

また、リクルートスーツを着て
一般企業への就職活動も
行っていたといいます。

(美大でリクルートスーツは
かなり浮いた存在に感じるようです)

 

そんな増田さんでしたが、
いくつかの転機が訪れます。

まず1つ目が卒業制作です。

油画を専攻していましたが、
画材にしっくりきていなかった増田さん。

「絵を描くのは大学で終わり」
と思ったからこそ、
卒業制作ではドローイングに使っていた
色鉛筆をメインに絵を描きました。

するとその作品がキッカケで
現在所属するギャラリーから
声が掛かったそうです。

そのことを増田さんは
以下のように語ってくれています。

他者の評価を気にせず
自分のやりたい表現で
完成させた作品がキッカケで、
現在所属するギャラリーから
グループ展の
声が掛かりました

2つ目の転機が
東日本大震災です。

当時、個展に向けて
制作を続けていた増田さんでしたが
震災で実家が警戒区域に指定、
避難を余儀なくされました。

一時は個展をやめようとも
考えたそうですが、
ギャラリーの方々のアートの力への
信念に励まされ制作を続けたそうです。

 

かなたの桜

↑はその個展で制作した作品。

富岡町の桜並木とガラスの青い鳥を
モチーフに決して壊れない幸せを
願い描いたものです。

 

inner blossom1

3つ目の転機が2012年の春、
震災後に初めて警戒区域にあった
実家に帰られたことです。

メディア等では悲劇的に報じられることも
多かった場所で増田さんは、
それとは違う希望にも似た光景を
目の当たりにしたそうです。

 

inner blossom2

その際の心境をこう語ってくれました。

外側の何かではなく「自分の視点」で
物事を観察し感じることで、
その物事をどう捉えるかという
選択肢(創造性)を自分自身の
内側にある心が手にしているということ

それは増田さんが今も発信し続けている、
アート思考に通ずる出来事でした。

 

Narcissus

それまでは動物や植物など、
素朴な日常品をモチーフに
絵を描くことの多い増田さんでしたが、
2度目の個展以降はその「日常」に
原発事故などの社会問題が重なり、
自分の視野が広がることで、
自然な流れでそれらをテーマに
することも増えていったそうです。

 

すべてに宿るもの

2019年には妊娠・出産も経験。

子供を通してアートを学ぶことも
多いと語る増田さんの作品は
今後も変化し続けていくことでしょう。

時と共に日常が変化するように、
それを描く増田さんの日常テーマ
進化し続けます。

作品の言語化について

 

自身の作品を解説、言語化することを
試みている増田さん。

それを行う理由を聞くと、
以下のように答えて下さいました。

言語化に挑戦している1番の理由は、
自分自身が作品制作をする中で得た
「アート思考=自分の視点を持つこと」が、
人生の様々な場面で自分の心を整え、
感情をコントロールすることに
大変役立ってきたことを誰かに
伝えたいと思っているからです。

情報が溢れる今の社会で、
その力は主体的に人生を生きていくために
とても重要なスキルではないか?
と感じています。

この増田さんの考え方は個人的に
とても共感することができ、
当サイトのコンセプトにも通じています。

最後に

 

インタビューに協力して下さった
増田有美さんに厚く御礼申し上げます。

最後に、増田さんは言語化について
難しさもあることを話してくれました。

作品の解説などをすると、
鑑賞者から「そうなんですね!」と
反応があったりしますが、
非言語的な(微妙な)ニュアンスは
伝えきれていないように思います。

最低限の言語化は必要だけど、
言葉って強力だから、
間違って伝わることもありますね

あなたは言語化について、
アート思考について、
どのように思われますでしょうか。

最後まで読んで頂き、
ありがとうございました。

 

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