この記事では今を生きる
アーティストの方に着目し、
インタビューさせて頂いた
内容を記していきます。
作品に込められた意図などを
解説するのではなく、
アーティストの方の生い立ちや
考え方を紹介していくものです。
第9回目は
アーティストの増田有美さんです。
気になった方は是非応援、
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記事内の画像は全て掲載許可を頂いています
増田有美とは?
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2024/03/gift-1-251x300.jpg)
- アーティスト名:増田有美
- 年齢(インタビュー時):40歳
- 出身:福島県
- 主な制作:アクリル・色鉛筆画
インタビューに至るまで
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2024/03/img1-1-1-252x300.png)
noteを相互フォローして
頂いていた増田有美さん。
こちらからお声掛けすると
私のnoteも読んで頂いていたようで、
インタビューに快諾して頂けました。
noteがキッカケで
インタビューさせて頂いた
初めてのアーティスト様です。
増田さんのInstagram↓
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増田有美さんの作品
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2024/03/img1-2-244x300.png)
現在はアクリルや色鉛筆で
絵を描くことが多いという増田さん。
増田さんが特徴的なのは、
作中に出てくるモチーフを
自身のホームページで解説してること。
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2024/03/img1-3-298x300.png)
例えば鹿の項目では以下のように
解説されています(一部抜粋)。
心の奥底にある本当の気持ち、
もしくは無意識下の潜在意識、
本人も気づけないくらい
ひっそりとしていて目にも見えない、
けれど確かにある非常に強いエネルギー、
あるいはその人を正しい方向に
導いてくれる高い精神性を、
鹿の形を借りて描いています。特に青い鹿はその中でも神聖な存在です。
誰の中にも存在する、
神聖な自分自身のような存在です。
このような作品の言語化は
増田さんにとって非常に重要です(後述)。
増田さんの生い立ち
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2024/03/cropped-DSCN3173-1-300x192.jpg)
小さい頃から絵を描くのが
好きだった増田さん。
大学は東京藝術大学に入学し、
油画を専攻しました。
「そこまでは目標通りでした」
と語ってくれた増田さん。
ところが入学後に
さまざまな現実と向き合うことに
なったといいます。
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2022/07/art-ge418a8b8a_640-1-300x200.jpg)
その1つが
「画家として生きるのは大変」
ということ。
大学入学までは好きなことを
続けてきたような感じもありましたが、
入学後には周囲の学生との間に
温度差を感じることもあったそうです。
絵で食べていくことの
厳しさを痛感したようでした。
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2024/03/model-2350582_640-1-300x200.jpg)
その後増田さんは大学院へ進みます。
大学院へ行った理由として、
- 進路を決めきれなかった
- 絵を描くのは大学で終わりと思っていた
と語ってくれました。
また、リクルートスーツを着て
一般企業への就職活動も
行っていたといいます。
(美大でリクルートスーツは
かなり浮いた存在に感じるようです)
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2022/12/painting-gaaf01fe2d_640-1-300x169.jpg)
そんな増田さんでしたが、
いくつかの転機が訪れます。
まず1つ目が卒業制作です。
油画を専攻していましたが、
画材にしっくりきていなかった増田さん。
「絵を描くのは大学で終わり」
と思ったからこそ、
卒業制作ではドローイングに使っていた
色鉛筆をメインに絵を描きました。
するとその作品がキッカケで
現在所属するギャラリーから
声が掛かったそうです。
そのことを増田さんは
以下のように語ってくれています。
他者の評価を気にせず
自分のやりたい表現で
完成させた作品がキッカケで、
現在所属するギャラリーから
グループ展の声が掛かりました
2つ目の転機が
東日本大震災です。
当時、個展に向けて
制作を続けていた増田さんでしたが
震災で実家が警戒区域に指定、
避難を余儀なくされました。
一時は個展をやめようとも
考えたそうですが、
ギャラリーの方々のアートの力への
信念に励まされ制作を続けたそうです。
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2024/03/img-6-298x300.png)
↑はその個展で制作した作品。
富岡町の桜並木とガラスの青い鳥を
モチーフに決して壊れない幸せを
願い描いたものです。
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2024/03/img-1-1-300x300.png)
3つ目の転機が2012年の春、
震災後に初めて警戒区域にあった
実家に帰られたことです。
メディア等では悲劇的に報じられることも
多かった場所で増田さんは、
それとは違う希望にも似た光景を
目の当たりにしたそうです。
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2024/03/img-2-1-300x298.png)
その際の心境をこう語ってくれました。
外側の何かではなく「自分の視点」で
物事を観察し感じることで、
その物事をどう捉えるかという
選択肢(創造性)を自分自身の
内側にある心が手にしているということ
それは増田さんが今も発信し続けている、
アート思考に通ずる出来事でした。
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2024/03/img-7-174x300.png)
それまでは動物や植物など、
素朴な日常品をモチーフに
絵を描くことの多い増田さんでしたが、
2度目の個展以降はその「日常」に
原発事故などの社会問題が重なり、
自分の視野が広がることで、
自然な流れでそれらをテーマに
することも増えていったそうです。
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2019年には妊娠・出産も経験。
子供を通してアートを学ぶことも
多いと語る増田さんの作品は
今後も変化し続けていくことでしょう。
時と共に日常が変化するように、
それを描く増田さんの日常も
進化し続けます。
作品の言語化について
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2024/03/board-3700375_640-1-300x200.jpg)
自身の作品を解説、言語化することを
試みている増田さん。
それを行う理由を聞くと、
以下のように答えて下さいました。
言語化に挑戦している1番の理由は、
自分自身が作品制作をする中で得た
「アート思考=自分の視点を持つこと」が、
人生の様々な場面で自分の心を整え、
感情をコントロールすることに
大変役立ってきたことを誰かに
伝えたいと思っているからです。情報が溢れる今の社会で、
その力は主体的に人生を生きていくために
とても重要なスキルではないか?
と感じています。
この増田さんの考え方は個人的に
とても共感することができ、
当サイトのコンセプトにも通じています。
最後に
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2024/03/gift-1-251x300.jpg)
インタビューに協力して下さった
増田有美さんに厚く御礼申し上げます。
最後に、増田さんは言語化について
難しさもあることを話してくれました。
作品の解説などをすると、
鑑賞者から「そうなんですね!」と
反応があったりしますが、
非言語的な(微妙な)ニュアンスは
伝えきれていないように思います。最低限の言語化は必要だけど、
言葉って強力だから、
間違って伝わることもありますね
あなたは言語化について、
アート思考について、
どのように思われますでしょうか。
最後まで読んで頂き、
ありがとうございました。