ロマン主義とは?特徴や代表作を解説

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記事の要約
  1. 今のこと時事ネタをテーマにした
    →フランス・ロマン主義
  2. 多様な風景画
    →イギリス:ターナー
    →ドイツ:フリードリヒ
  3. 人の内面への関心
    →スペイン:ゴヤ

 

新古典主義が衰退してきた頃、
自然の神秘的な光景などに興味を持ち、
より自由な表現を目指した人々がいました。

これをロマン主義と呼び、
19世紀の芸術の大きな流れと
なっていきます。

まずはこの時代の作品を確認しましょう。

Raft of the Medusa Statue of Liberty Leading the People Sea of Cold Saturn Devouring His Son

テオドール・ジェリコー
ウジェーヌ・ドラクロワ
turner
ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー
John Constable
ジョン・カンスタブル
Caspar David Friedrich
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ
フランシスコ・デ・ゴヤ


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美術史年表

新古典主義⇒18世紀中頃~

・ロマン主義⇒18世紀後半~19世紀中頃

写実主義⇒1830年頃~

ロマン主義の特徴

 

Dante's boat
ドラクロワ「ダンテの小舟」

新古典主義では理性や合理性が重視され、
明確な輪郭線や対称性、
古代彫刻のような人体表現が特徴でした。

ロマン主義は対照的に
道徳よりも感情表現を重視した作品
制作されていきます。

簡潔にロマン主義の特徴をいうと、

  1. 今のこと時事ネタをテーマにする
    →フランスのジェリコーやドラクロワ
  2. 多様な風景画
    →イギリスやドイツ
  3. 線よりも色彩を重視
    →筆のタッチを残して動きを表現

となります。
ここからは国別の特徴を解説していきます。

フランス:テオドール・ジェリコー

 

フランスのロマン主義は
テオドール・ジェリコー
ウジェーヌ・ドラクロワ
代表されます。

アングルなどに代表される
新古典主義が幅を利かせるなか、
まずはジェリコーが「メデューズ号の筏」
フランス画壇に議論を巻き起こしました。

 

Raft of the Medusa
「メデューズ号の筏」1818‐19年

この絵は実際に起こった
フランス海軍の難破事件を描いたもの。
147人が漂流、救出されたのは15人という
国際的スキャンダルとなった事件です。

ジェリコーはこの絵を自主的に制作し、
それが世間の関心をよびました。

死に直面した極限状態を描いたこの作品は、
定式化した新古典主義の美術に
真っ向から対立するものでもありました。

 

テオドール・ジェリコー
テオドール・ジェリコー
テオドール・ジェリコー
  • 生没年
    →1791~1824年
  • 代表作
    →メデューズ号の筏など
  • なにをした人?
    →ロマン主義の先駆者。彼の作品はドラクロワなどに影響を与えた

フランス:ウジェーヌ・ドラクロワ

 

Statue of Liberty Leading the People
「民衆を導く自由の女神」1830年

ジェリコーの影響を受けたドラクロワは
1824年と27年のサロンでアングルと対決、
ロマン主義の画家として名を広めました。

新古典主義は理性で捉えた
を絶対視するものでした。

それに対してロマン主義は
個人の感覚を直接的に反映する
色彩を重視します。

この美学的対立はフランス画壇を
二分する論争へと発展させました。

 

サルダナパールの死
「サルダナパールの死」1827年

ドラクロワが1827年に出品した
「サルダナパールの死」
模範的な古典様式であるアングルの
ホメロス礼讃と比較されました。

 

ホメロス礼賛
「ホメロス礼賛」1827年

結果的にドラクロワは国立美術学校に
入会を許可されるまでになりますが、
新古典主義のアングルは
「私はこの愚かな世紀と決別したい」
と漏らしていたようです。

 

ウジェーヌ・ドラクロワ
ウジェーヌ・ドラクロワ
ウジェーヌ・ドラクロワ

イギリス:ウィリアム・ターナー

 

この時代は市民階級の趣味を背景に、
新しい風景画が各国で発展します。

なかでもイギリスは
多様な風景画の最初の動きが
顕著に見られていました。

 

「解体されるために最後の停泊地に曳かれてゆく戦艦テメレール号、1838年」1839年

ウィリアム・ターナー
歴史的風景画、地誌的風景画などに
多彩な才能を示した画家です。

 

「雨、蒸気、速度――グレート・ウェスタン鉄道」1844年

後年は発展を遂げる蒸気船や汽車などの
近代風景にも目を向けており、
大気の揺らぎや光のきらめきなど
ときに幻想的な雰囲気を漂わせる
風景画を制作しました。

 

turner
ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー
ウィリアム・ターナー
  • 生没年
    →1775~1851年
  • 代表作
    →グレート・ウェスタン鉄道など
  • なにをした人?
    →19世紀のイギリス・ロマン主義を代表する画家

イギリス:ジョン・カンスタブル

 

乾草車
「乾草車」1821年

19世紀のイギリス風景画家で
ターナー同様に代表的なのが
ジョン・カンスタブルです。

 

「デダム付近のストアー川の眺め」1822年

カンスタブルはありのままの
自然に忠実であろうとし、
穏やかな自然と人間の営みが融合した
叙情豊かな風景画を制作しました。

 

コンスタブル
ジョン・カンスタブル
ジョン・カンスタブル
  • 生没年
    →1776~1837年
  • 代表作
    →乾草車など
  • なにをした人?
    →19世紀イギリスを代表する風景画家。コンスタブルと表記することもある

ドイツ:フリードリヒ

 

ミュンヘン

ドイツでもロマン主義者たちによる
風景画制作が盛んになりましたが、
イギリスとは大きく異なる解釈でした。

 

「朝日の中の婦人」1818-20年

カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ
は山上から見下ろした雲海などの
広大な風景を好んで描きました。

 

氷の海
「氷の海」1823‐1824年

さらに彼は自然の中に
超越的なものを見いだし、
静謐せいひつな風景世界を創造しました。

 

カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ
フリードリヒ
  • 生没年
    →1774~1840年
  • 代表作
    →氷の海など
  • なにをした人?
    →ドイツ・ロマン主義を代表する画家。宗教的含意をふくむ風景画によって知られている

スペイン:フランシスコ・デ・ゴヤ

 

「棍棒による決闘」1820‐23年

啓蒙思想に疑念を向けたロマン主義は
理性だけではとらえきれない
人間の内面にも強い関心を寄せました。

人が持つ不安や恐怖、狂気は
ときにグロテスクな幻想として描かれます。

 

Saturn Devouring His Son
「我が子を食らうサトゥルヌス」1820-23年

スペインのゴヤは最晩年、
自身の別荘に14点の壁画を描きました。

「黒い絵」といわれるシリーズは
いちように不吉で醜い主題が
荒々しい筆致で描かれています。

 

Madrid, May 3, 1808
「1808年5月3日、マドリード」1814年

その背景にはスペイン独立戦争などで、
人間にひそむ醜さや愚かさを目にした
ゴヤの主観的な視点が投影されています。

 

フランシスコ・デ・ゴヤ
フランシスコ・デ・ゴヤ
  • 生没年
    →1746~1828年
  • 代表作
    →我が子を食らうサトゥルヌスなど
  • なにをした人?
    →スペイン最大の画家と謳われる。宮廷画家として活躍していたが、晩年は黒い絵シリーズを制作した

まとめ

 

民衆を導く自由の女神
まとめ

✓ロマン主義は新古典主義と対照的に、
道徳よりも感情表現を重視した

✓イギリスやドイツでは
多様な風景画が流行した

✓理性だけではとらえきれない
人間の内面にも強い関心を寄せた

次回は写実主義の美術を解説します。

 

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