ゴシック美術を解説/ステンドグラス/建築技術の発展【西洋美術史⑧】

サムネイル10

 

記事の要約

☑建築技術の向上

☑天井は高く、壁は薄く

☑ステンドグラスの登場


 

12世紀から始まるゴシック美術は
都市社会の中で発展しました。
また、ロマネスクが西欧全域で
発展したのに対し、ゴシック美術は
フランスを中心に繁栄しました。

ゴシックの語源はマニエラ・ゴティカで
野蛮な様式を意味する蔑称です。

まずはこの時代の作品の
画像を確認していきましょう。

サン・ドニ サン・ドニ内部 フライング・バットレス 人像円柱 バラ窓


文化の担い手が聖職者などに限られていた
ロマネスクとは違い、
ゴシック時代には都市に住む
裕福な町人や知識人、
普通の信徒がそれに加わります。

封建社会の中で、
都市部に力をもった商工業者が出てきました。


美術史年表
ロマネスク
10世紀末~12世紀
〇ゴシック
⇒12世紀~15世紀



ゴシック美術

 

サン・ドニ
サン=ドニ大聖堂

ゴシック建築がロマネスクと大きく違うのは、
聖堂の壁が薄く、天井が高いことです。
建築技術の向上が成し遂げた特徴ですね。

サン・ドニ内部
サン=ドニ大聖堂(内部)

こちらはサン=ドニ大聖堂の内部です。
壁を薄く、天井を高くできるようになったので、
ステンドグラスを使って明るく豪華に
飾り立てることが可能になりました。

ゴシック建築では聖堂内を出来るだけ明るく
豪華に飾り立てて、
神の世界を表現しようとします。
そしてより神に近づくために高さを求めました。

ロマネスク建築と
画像で比較してみます。

ロマネスク(ピサ大聖堂)↓

ピサ大聖堂 ピサ大聖堂内部

ここからは
より具体的な建築様式について
解説します。

フライングバットレス

 

フライング・バットレス
ノートルダムのフライングバットレス

フライング・バットレスとは、
壁の外側からつっかい棒のようにささえる梁で、
天井からの重みで壁全体が外に開こうとする力を
受け止めるものです。

尖頭アーチ、交差リブヴォールト

 

尖頭アーチ
出典:私がミラノに興味をもつ理由

それまでの筒型の屋根では左右の壁に
天井からの荷重が全てかかってしまうため、
大きな窓を造ることが出来ませんでした。

そこを解決するために生みだされたのが、
尖頭アーチ
交差リブヴォールトです。

先の尖った尖頭アーチを採用し、
リブ(交差している縦筋)を取り付けることで
天井を補強しました。

交差リブヴォールト
ウースター大聖堂

人像円柱

 

人像円柱
シャルトル大聖堂の人像円柱(1155年)

シャルトル大聖堂の扉口には、
円柱を背にして建つ人像円柱があります。
それまでの建築彫刻は建築的枠組みから
外れていないので、浮き彫りの性質が強いものでした。

ロマネスク(サント・マドレーヌ教会)↓

タンパン
サント・マドレーヌ教会のタンパン

しかしゴシック時代には
建築的枠組みから独立した彫刻
が造られ始めます。

シャルトル大聖堂の人像円柱から
約1世紀後に制作されたランス大聖堂の
彫刻は背後の円柱から独立して
台座の上に立っています。

ランス 人像円柱
出典:ランスの旅行記ブログ

ギリシャ彫刻のような
コントラポストドレイパリー
表現も含まれてますね。

ステンドグラス

 

バラ窓
ノートルダム大聖堂のバラ窓

ゴシック時代にはステンドグラス
それまでの壁画に変わる絵画芸術の
中心となりました。

美しいステンド・グラスには
聖書の内容などが記されており、
文字が読めない民衆に教義するための
重要な役割を担っていました。

シャルトル大聖堂 ステンドグラス
出典:Amazing TRIP

また、色ガラスを通して
差し込む神秘的な光は神は光なりき
信じた中世の人々にとって、
信者の心を照らす光でもありました。

まとめ

 

サン・ドニ
☑ゴシック美術はフランスの都市部などを中心に発展した

☑フライング・バットレス、尖頭アーチ、交差リブヴォールトなどにより教会内を明るく豪華に装飾することが出来た

☑人像円柱など建築的枠組みから独立した彫刻も生まれた

☑ステンドグラスは字が読めない民衆に聖書の内容などを伝える役割もあった

次回は草創期(プレ)ルネサンスを解説します。