ラファエル前派とは?代表作や特徴を解説

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記事の要約
  1. ラファエル前派
    →古典偏重の美術教育に異を唱える
  2. 作品の特徴
    →聖書や神話がテーマ
    →細部まで描きこむ緻密さ
    →幻想的で美しい世界観

 

19世紀中頃のイギリスでは、
アカデミーに反発してラファエロ以前の
美術に回帰することを掲げた
美術グループが誕生しました。

彼らをラファエル前派といい、
当初はロセッティ、ミレイ、ハント
の3人で構成されていました。

まずはこの時代の作品を確認しましょう。

Ophelia 雇われ羊飼い

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ
John Everett Millais
ジョン・エヴァレット・ミレー
ウィリアム・ホルマン・ハント
ウィリアム・ホルマン・ハント


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美術史年表

写実主義⇒1830年頃~

・ラファエル前派⇒1850年頃~

印象派⇒1860年~

ラファエル前派の特徴

 

raffaello_sanzio
ラファエロ

当時のイギリス・アカデミーでは
盛期ルネサンスのラファエロを模範とし、
それ以外の新たな表現を認めない方針でした。

そんなアカデミーに不満を抱いた
ロセッティ、ハント、ミレイの
3人はラファエル前派を結成しました。

ラファエル前派は盛期ルネサンス以前の
中世や初期ルネサンスの美術を模範とし、
古典偏重の美術教育に異を唱える意味
込められています。

 

ミレイ「落ち葉」1855‐1856年

彼らの作品の特徴には、

  • 自然描写や歴史描写における
    科学的な正確さや精緻さ
  • 細部まで徹底して描き込む緻密な描写
  • 聖書、神話、中世の文学や詩などを
    題材にした幻想的で美しい世界観

などが挙げられます。

またロセッティの弟ウィリアムは後年、
グループ結成当時の理念を
以下のように整理しています。

  1. 表現すべき本物のアイディアをもつこと
  2. アイディアの表現を学ぶために、
    自然を注意深く観察すること
  3. 慣習、自己顕示、決まりきったやり方で
    身につけた型を拒絶するために、
    過去の芸術のなかの率直で、真剣で、
    誠実なものに共感を寄せること
  4. 最良の優れた絵や彫刻を制作すること

ここからはグループ結成メンバーの
3人を紹介していきます。

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ

 

「魔性のヴィーナス」1864‐68年

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ
ラファエル前派の中心的な役割を担った
イングランドの画家・詩人です。

ロセッティの作品は全体として
装飾的・耽美的な構成の作品が多く、
その一方グループ内でも徹底した
細密描写は得意でなかったと言われています。

 

「ベアタ・ベアトリクス」1863年

↑の作品でモデルを務めたのは
妻のエリザベス・シダルです。
彼女はミレイの「オフィーリア」でも
モデルを務めています。

 

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ
ロセッティ
  • 生没年
    →1828~1882年
  • 代表作
    →魔性のヴィーナスなど
  • なにをした人?
    →ラファエル前派結成メンバーの1人で中心的な役割を果たした人物。シダルとジェーンという2人の女性と複雑な関係を築き、彼の芸術を語る上で避けては通れない事項でもある

ジョン・エヴァレット・ミレー

 

オフィーリア
「オフィーリア」1852年

「オフィーリア」はミレー自身及び
ヴィクトリア朝の最高作と名高い作品です。

1862年のアカデミー展に出品したもので、
シェイクスピアのハムレットのヒロイン、
オフィーリアを題材にしたもの。
モデルを務めたのは後にロセッティの
妻となるエリザベス・シダルです。

夏目漱石の「草枕」にも
この作品に言及した箇所があります。

 

過ぎ去りし夢
「過ぎ去りし夢」1857年

ミレーは幼少期から優れた画才を示し、
11歳でロイヤル・アカデミー付属美術学校に
史上最年少での入学を許可されました。

 

「初めての説教」1863年

1863年には「初めての説教」で
アカデミーの正会員として選出されます。
この作品はイギリスの少女画ブームの
火付け役となりました。

ミレーは少女画を描くにあたって、

ただ、微妙で静かな表情のみが完璧な美と
両立する誰が見ても美しい顔を描くなら、
人格が形成され表情が決まる前の
8歳前後の少女が一番よい

と語っています。

 

ジョン・エヴァレット・ミレー
ジョン・エヴァレット・ミレー
ジョン・エヴァレット・ミレー
  • 生没年
    →1829年~1896年
  • 代表作
    →オフィーリアなど
  • なにをした人?
    →ラファエル前派の1人。幼少時から優れた画才を示し、1896年にはロイヤル・アカデミーの会長にも選出された
  • その他の記事
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ウィリアム・ホルマン・ハント

 

雇われ羊飼い
「雇われ羊飼い」1851‐1852年

主要メンバーであった3人のうち、
ロセッティとミレーは徐々に
芸術的方向性を変えていきました。

一方いつまでも特色を変えなかったのが
ウィリアム・ホルマン・ハントです。

その特色とは、

  • 聖書、伝説などに主題を求めること
  • 隅々まで徹底的に描き込んだ細密描写

です。

 

我が英国の海岸
「我が英国の海岸」1852年

彼は聖書の物語を描くには
現場を見なければならないと考え、
パレスチナを3度も訪れています。

 

ウィリアム・ホルマン・ハント
ウィリアム・ホルマン・ハント
ハント
  • 生没年
    →1827~1910年
  • 代表作
    →雇われ羊飼いなど
  • なにをした人?
    →グループ内でも徹底した写実主義者であった画家。画家としての特色を最後まで保っていた人物でもある

まとめ

 

Ophelia
まとめ

✓イギリス・アカデミーに反発した
ロセッティ、ミレー、ハントによって
ラファエル前派は結成された

✓古典偏重の美術教育に異を唱える
意味が
込められている

✓ジョン・エヴァレット・ミレーは
ロイヤル・アカデミーの会長にも選出された

次回は印象主義の美術を解説します。

 

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