原始美術・古代美術・エーゲ海美術を解説【西洋美術史①】

サムネイル1

 

記事の要約

✓洞窟壁画から始まった

✓祈りを表現した

✓権力を象徴する美術も生まれた

 

現在、最古級の洞窟壁画と
いわれているのがフランスにある
ショーヴェ洞窟の壁画です。

先史時代に生まれた純粋な表現は、
祈りを表現しているといわれています。

まずはこの時代の作品の
画像を確認していきましょう。

原始美術
古代美術クレタ美術ミュケナイ美術
祈りから生まれた美術は権力の象徴へ。
その流れをみていきます。


美術史年表
✓原始美術 ⇒紀元前30000年頃~(*)
✓古代美術 ⇒紀元前4000年頃~

✓エーゲ海美術 ⇒紀元前3000年頃~
(*)諸説あります

原始・古代美術

 

原始美術
ショーヴェ洞窟の壁画(ハイエナ)

現存する最古級の絵は
ショーヴェ洞窟の壁画です。
狩りを行う時代に獲物が取れることを
祈って描いたとされています。

特徴は願いの対象だけを描いており、
背景がないことです。
植物など自然に対する興味は
薄かったのかもしれません。

ショーヴェ洞窟の壁画
ショーヴェ洞窟の壁画

ちなみにこの壁画はその年代から、
ネオンデルタール人の作品であると
考える研究者もいます。

 

原始美術
ヴィレンドルフのヴィーナス

オーストリアの方では
女性の形をした小像なども
多く発見されています。

壁画と違うのは造形が写実的ではなく、
理想化されている点です。

胸や腹部、お尻を誇張し
多産や豊穣を祈願しているのでは
ないかといわれています。

また、この像は自立させることが
できないため、鑑賞用ではなく携帯用に
作られたのではないかとも考えられています。

 

原始美術
ストーンヘンジ

イギリス南部には巨大な石を並べた
ストーンヘンジがあります。

世界で最も有名な先史時代の遺跡です。

ストーンヘンジ

造った理由として
初期には魔術師マーリンが巨人に造らせたもの
といった解釈などがありましたが、
研究が進むと天体観測所や天体軌道の計算装置
としての目的があったのではないかという
説も出てきました。

 

このように原始時代に生まれた美術は、
祈りや願いなどを表現している
いわれており、ストーンヘンジのような
未だ謎の多いものもあります。

 

メソポタミア美術

 

古代美術
ナラム・シンの石碑

紀元前4000年頃から
メソポタミア文明が生まれます。

メソポタミア美術で有名なのは
ナラム・シンの石碑です。
これは戦争の勝利を祝ったもので、
記念碑としては世界最古のものになります。

この頃には人類の中に権力者が生まれ、
権力を象徴する美術も多く制作されました。

 

古代美術
ハンムラビ法典碑

ハンムラビ王という人物は、
メソポタミア統一後に
人類最初の法律を作りました。

それはハンムラビ法典碑と呼ばれ、
目には目を、歯には歯をという
フレーズで有名です。

 

サムネイル30

エーゲ海美術

 

エーゲ海美術
エーゲ海周辺地図

エーゲ海美術は大きく3つに分類できます。

  1. キュクラデス美術
  2. クレタ美術
  3. ミュケナイ美術(ミケーネ美術)
紀元前3000年を過ぎる頃、
まずはキュクラデス諸島から
美術が誕生していきました。

キュクラデス美術

 

キュクラデス美術
キュクラデス石造

キュクラデス美術の特徴は
白大理石を使った単純で抽象的な石造です。

現存する石造の多くが
30㎝程度の小さな女性像ですが、
150㎝近い大型の像や男性像も存在します。

 

キュクラデス石造
キュクラデス石造

これらの像は故人の墓に副葬したり、
宗教儀礼に使われたと考えられています。

単純な形態をしてますが、
各部位に一定の比率が認められます。

クレタ美術

 

クノッソス宮殿
クノッソス宮殿

クレタ島の人々は海遊民族で
有能な商人でした。

旧宮殿時代と呼ばれる時代には
農業や貿易の発達により、
クノッソス宮殿など豪華な装飾を持つ
建物が建てられました。

クノッソス宮殿の特徴は
城壁がなく開放的なことです。
治安が良かったことの証明かもしれません。

 

クノッソス宮殿
クノッソス宮殿「王座の間」

こちらはクノッソス宮殿の王座の間
地中海の動植物が壁画や浮彫で
装飾されました。

ミュケナイ美術

 

ミュケナイ美術
獅子の門

ミュケナイ美術(ミケーネ美術)の
代表作は獅子の門です。

獅子の門は城の正門でした。

クレタ美術の建築物が
開放的であったのに対して、
ミュケナイ美術では強固な城門や城壁があり、
外敵に襲われる危険性
あったことが考えられています。

当時の作品から、
その時代・場所の治安などが
推測できるのは面白いですね。

 

ガメムノンのマスク
アガメムノンの黄金のマスク

こちらはもう1つの代表作、
アガメムノンの黄金のマスクです。

この仮面は王族と思われる墓の中から
発見され、仮面のあった墓の人物は
男性かつ戦士であったこともわかっています。

アガメムノンとはギリシャ神話に登場する
総帥のことであり、実在していたかは
定かではありません。

まとめ

 

原始美術
まとめ

✓狩りを行う時代に洞窟壁画を描いたのが美術の始まり

✓祈りを表現した美術は権力を象徴する美術へ

✓エーゲ海周辺の島で様々な文明・美術が発展した

次回はギリシャ美術を解説します。

 

サムネイル3