原始美術から盛期ルネサンスまでをざっくりと解説【西洋美術史入門】

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記事の要約

✓盛期ルネサンスまでをざっくりと

✓ギリシャ・ローマ時代から中世へ

✓中世からルネサンスへ

 

この記事は原始美術からルネサンスまで
西洋美術史を年表に沿ってまとめました。

大まかな流れの学習・確認に
活用してください。


西洋美術史をざっくりと解説

 

アテナイの学堂

原始美術からルネサンスまで、
ざっくりと以下の時代を確認していきます。

  1. 原始美術(紀元前30000年~)
  2. メソポタミア美術(紀元前4000年~)
  3. ギリシャ美術(紀元前1000年~)
  4. ローマ美術(紀元前27年頃~)
  5. 初期キリスト美術(2世紀末~)
  6. ビザンティン美術(4世紀末~)
  7. 草創期ルネサンス(13~14世紀)
  8. 初期ルネサンス(15世紀)
  9. 盛期ルネサンス(1500~1530年)

原始美術(紀元前30000年頃)

 

原始美術
ショーヴェ洞窟の壁画(ハイエナ)

現存する最古級の絵は
ショーヴェ洞窟の壁画といわれています。

狩猟の時代に、
獲物が捕れることを祈って描かれました。

原始時代の美術の特徴は、
祈りや願いを表現している点です。

 

原始美術
  1. 年代
    紀元前30000年頃
  2. 場所
    ヨーロッパや東南アジア
  3. 作られたもの
    洞窟の壁画や遺跡など
  4. 特徴
    祈りや願いを表現

メソポタミア美術(紀元前4000年頃)

 

古代美術
ナラム・シンの石碑

人類は生きていくために集団を作り、
人が集まると文明が生まれました。
そして文明は他国との争いも生み出します。

画像はメソポタミア文明で生まれた
ナラム・シンの石碑で、
戦争勝利を祝った記念碑です。

この頃から美術は
権力を誇示するためのツールにもなりました。

 

メソポタミア美術
  1. 年代
    紀元前4000年頃
  2. 場所
    メソポタミア(現在のイラク)
  3. 作られたもの
    彫刻や石像、大型建造物など
  4. 特徴
    権力を誇示するためのもの
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ギリシャ美術(紀元前1000年頃)

 

パルテノン神殿
パルテノン神殿

エーゲ海一帯で生まれたギリシャ文明。
人々は神の存在を信じ、
それはギリシャ神話として現在まで
語り継がれています。

神は人間の姿をしているという思想のもと、
理想的な人間の姿が表現されました。

 

ミロのヴィーナス
ミロのヴィーナス

この作品もヴィーナスという愛の女神を
人間の形で表現しています。

また、ギリシャ彫刻で大切なのは
コントラポストという方法を使って
作品に躍動感を与えたことです。

 

ギリシャ美術
  1. 年代
    紀元前1000年頃
  2. 場所
    エーゲ海一帯
  3. 作られたもの
    彫刻や大型神殿など
  4. 特徴
    神を表現した(理想的な人物像)
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ローマ美術(紀元前27年頃~)

 

プリマ・ポルタのアウグストゥス
プリマ・ポルタのアウグストゥス

紀元前27年頃に誕生した
ローマ帝国は地中海一帯を
支配していきました。

当初ローマ人はギリシャ美術に魅了され、
ギリシャ美術を模倣した作品である
ローマン・コピーを大量に制作しました。

しかし帝政が末期になってくると、
ギリシャ美術の神話的な表現は衰退し、
かわりに権力者を誇示するような美術
栄えていきます。

 

コンスタンティヌス1世
コンスタンティヌス1世

それまでの彫刻と違うのは
人物がより写実的になり、
精神性などを強調するためにデフォルメ
されている点です。

上の皇帝の頭像も、
目が大きくデフォルメされています。

 

ローマ美術
  1. 年代
    紀元前27年頃~
  2. 場所
    ローマ帝国(地中海一帯)
  3. 作られたもの
    彫刻や神殿、大型建造物など
  4. 特徴
    権力者を誇示するためにデフォルメした
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初期キリスト美術(2世紀末~)

 

善き羊飼い
善き羊飼い

キリスト教の美術は
西暦200年頃から始まります。

ローマ帝国が統治する時代、
キリスト教はまだ容認されておらず
迫害を受けていました。

そんな中、信者たちは
弾圧者たちの目を誤魔化すために
あえてキリストを間接的に描きました。

画像の善き羊飼いは、
羊飼いに扮したキリストが羊(信者達)を
導いている場面が描かれています。

その後キリスト教は313年に容認され、
394年に国教化されます。

 

サンタ・コスタンツァ聖堂
サンタ・コスタンツァ聖堂

キリスト教が容認されると、
教会建築が盛んになっていきました。

 

サンタ・プデンツィアーナ
サンタ・プデンツィアーナ聖堂のアプシス

また、教会建築に伴い内部を装飾する
キリストをテーマとした
モザイクや壁画も多く制作されました。

 

初期キリスト美術
  1. 年代
    2世紀末~
  2. 場所
    ローマ帝国(地中海一帯)
  3. 作られたもの
    カタコンベの絵/
    (容認後は)教会、モザイクなど
  4. 特徴
    間接的な表現/
    (容認後は)キリストがテーマの壁画
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ビザンティン美術(4世紀末~)

 

ビザンティン

この時代は平面的で固い絵が多いです。

キリスト教が普及し始めると、
「神様を人間が描いていいのか…?」
という神学上の矛盾が指摘され始めて、
平面的な絵が増えていきました。

また、それまで栄えていた彫刻などは
3次元的な表現であることから
ほとんど制作されなくなりました。

 

アギア・ソフィア大聖堂
アギア・ソフィア大聖堂

一方でキリスト教の更なる布教のために、
聖堂建設はどんどん進んでいきました。

キリスト教が強い権力を持ち、
非人間的な圧力が強かった中世は
暗黒の時代とも呼ばれ、
1000年ほど続きました。

 

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ビザンティン美術
  1. 年代
    4世紀末~
  2. 場所
    ローマ帝国(ビザンティン帝国)
  3. 作られたもの
    教会、モザイクなど
  4. 特徴
    平面的な絵(彫刻などは破壊)
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草創期ルネサンス(13~14世紀)

 

ジョット ユダの接吻
ジョット「ユダの接吻」

暗黒時代には神と教会が中心で、
自然や人間性は重要視されていませんでした。

しかし、ルネサンスに先駆けて芸術分野で
人間性を追求したのがフィレンツェ出身の
ジョットです。

人物の感情や空間の三次元的な表現は
後世の美術に大きな影響を与えました。

 

エジプトへの逃避
ジョット「エジプトへの逃避」

また、この頃から優れたフレスコ画が
多く制作されていきます。

フレスコとは漆喰を塗った壁に、
漆喰が乾ききらないうちに
顔料を塗る技法のことです。

古くからあった技法ではありますが、
有名で優れたフレスコ画となれば
この時代から増えていきます。

 

サムネ
草創期ルネサンス美術
  1. 年代
    13~14世紀
  2. 場所
    イタリア
  3. 作られたもの
    テンペラ・フレスコ画など
  4. 特徴
    人間的な感情、三次元的な空間表現
  5. 有名な芸術家
    ジョットなど
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初期ルネサンス(15世紀)

 

受胎告知
フラ・アンジェリコ「受胎告知」

ルネサンスはイタリアの
フィレンツェから始まります。

遠近法の研究が進み、自然をリアルに
模倣できるようになった画家たちは
積極的に絵画に取り入れました。

かつてのギリシャ・ローマの
古典研究も推し進められ、
人文主義と呼ばれる精神運動が始まります。

人文主義

教会の権威や神中心の非人間的重圧から解放し、人間性の再興を目指した運動のこと

ルネサンスとはフランス語で
再生を意味しており、
かつてのギリシャ・ローマの文化を
再興しようとする意味が込められています。

 

ダヴィデ
ドナテッロ「ダヴィデ」

再び栄えた彫刻では、
ギリシャ神話をテーマにするなど、
芸術は再び人間らしい表現を可能としました。

 

初期ルネサンス美術
  1. 年代
    15世紀
  2. 場所
    イタリア(フィレンツェ)
  3. 作られたもの
    彫刻やテンペラ・フレスコ画など
  4. 特徴
    ギリシャ・ローマ時代の復興
  5. 有名な芸術家
    マザッチョ、フラ・アンジェリコ、ドナテッロなど
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盛期ルネサンス(1500~1530年)

 

アテナイの学堂
ラファエロ「アテナイの学堂」

ルネサンスの3大巨匠が活躍した時代を
盛期ルネサンスと呼びます。

この頃の芸術の中心は
フィレンツェではなく、ローマです。

初期ルネサンスで用いられた遠近法は
さらに発展を遂げ、スフマートや空気遠近法
と呼ばれる技法と合わせて更にリアルな
表現が可能となっていきました。

 

モナ・リザ
ダヴィンチ「モナリザ」
ベルヴェデーレの聖母
ラファエロ「ベルヴェデーレの聖母」
ダヴィデ
ミケランジェロ「ダヴィデ」

それまで職人のような見方をされていた
画家や彫刻家は、3大巨匠の活躍により
芸術家の地位を確立しました。

 

サムネ
盛期ルネサンス美術
  1. 年代
    1500~1530年
  2. 場所
    イタリア(ローマ)
  3. 作られたもの
    彫刻やテンペラ・フレスコ画など
  4. 特徴
    卓越した技術により、画家や彫刻家は芸術家の地位まで高められた
  5. 有名な芸術家
    ダヴィンチ、ラファエロ、ミケランジェロなど
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まとめ

 

絵画鑑賞をする女性
まとめ

原始美術(紀元前30000年~)
⇒生活から生まれた美術。祈りを形に。

メソポタミア美術(紀元前4000年~)
⇒文明が生まれ、権力者を誇示する美術

ギリシャ美術(紀元前1000年~)
⇒理想的な人間を表現。彫刻が多い

ローマ美術(紀元前27年頃~)
⇒彫刻はより写実的で、デフォルメされた

初期キリスト美術(2世紀末~)
⇒迫害を避けるため間接的な表現を使用

ビザンティン美術(4世紀末~)
⇒キリスト教の権威が強い。平面的な絵

草創期ルネサンス(13~14世紀)
⇒人間味ある表情や3次元的な空間表現が生まれる

初期ルネサンス(15世紀)
⇒遠近法発見。ギリシャ・ローマの復興

盛期ルネサンス(1500~1530年)
⇒3大巨匠の時代。画家は芸術家の領域へ

次のまとめ記事では、
マニエリスムから印象派までを解説します。