この記事では今を生きる
アーティストの方に着目し、
インタビューさせて頂いた
内容を記していきます。
作品に込められた意図などを
解説するのではなく、
アーティストの方の生い立ちや
考え方を紹介していくものです。
第10回目は
アーティストの片山穣さんです。
気になった方は是非応援、
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記事内の画像は全て掲載許可を頂いています
片山穣とは?
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2024/05/png-211x300.png)
- アーティスト名:片山穣
- 年齢(インタビュー時):38歳
- 出身:新潟県
- 主な制作:ろうけつ染めによる絵画
インタビューに至るまで
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2024/05/img-6-300x295.png)
第9回目に登場して下さった
増田有美さんのご紹介で
繋がった片山穣さん。
個展の準備でお忙しい中、
インタビューに快く応じて頂きました。
片山さんのInstagram↓
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片山穣さんの作品
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2024/05/img-4-252x300.png)
主にろうけつ染めでの絵画を
制作している片山さん。
ろうけつ染めとは、
溶かした蝋を筆で生地に塗ることで、
その部分が染まらなくする技法のこと。
中国では2~3世紀頃から
ろうけつ染めの技法があったと
されています。
そんなろうけつ染めについて
片山さんは以下のように述べています。
私の作品はろうけつ染めで描いていて
作品として体裁を保つために
多くの制約と高い技術を要します。
「絵画」との違いとして「染め」は
一般的に平坦で凹凸がありませんが、
糸の中に染み込んでいる色は
透明だけど深みがあり何度も重ねた
色の経緯が必ず表面に現れます。
色彩しかない生地の中に
試行錯誤をした痕跡が微かに残るのです。片山さんのHPより抜粋
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2024/05/img-5-300x295.png)
塗りつぶしができず
制約の多い手法で制作することは
柵の多い社会で
踠き苦しむ日々と重なる部分もあります。
それでも目の前にある現象と
対話し手を動かし続け描いた作品から、
新たな発想を得たり想像した以上の
表現が見えてくる事を信じています。片山さんのHPより抜粋
作品乾かし中
広い面積を濃い色にするために何度も染め直してます。
早く進めたいけどしっかり乾かさないといけないので待ち時間が結構ありるのでその間にドローイング描いたりご飯作ったりしてます。手が止まってしまいますが案外この「間」が嫌いじゃないです。 pic.twitter.com/F0MpiIjwdN
— 片山 穣 [Katayama Joe] (@joe_katayama) April 28, 2024
片山さんの生い立ち
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2024/05/thumbs-down-6110175_640-1-300x200.jpg)
「逃げてきました」
祖父が彫刻家、
父親は大学講師という
環境で育った片山さん。
父親は勉強を大切にする
教育方針だったそうですが、
学生時代の片山さんは
- とにかく勉強が嫌い
- サラリーマンにはなりたくない
- 好きなことを仕事にしたい
と考えていたそうです。
![Tokyo University of the Arts](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2024/03/cropped-DSCN3173-1-300x192.jpg)
大学は東京藝術大学を目指しますが、
そのモチベーションとなったのも
絵を描くのが好きだからだけでなく、
「勉強したくないから」という
部分もあったと教えてくれました。
そして3浪した後に見事、
志望校に合格。
「大学よりも浪人時代が楽しかった」
そう話す片山さんには
とても興味深いエピソードがありました。
![dentist](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2024/05/dentist-2530983_640-1-300x199.jpg)
それはまだ1浪中の頃、
予備校では(仕事の)裾が広い
という理由でデザイン科を
志望していた片山さん。
しかしどうもデザイン科に
しっくりきていなかったようです。
そんな中、通っていた歯医者で
ある日医師から
「それは本当にやりたいことなの?」
と、歯の治療後になんと
1時間も説教をされたそうです。
驚きのエピソードですが
そのこともキッカケとなり、
片山さんは2浪目から工芸科に
転科することに決めました。
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2024/05/miniature-1700629_640-1-300x178.jpg)
大学では思考よりも
プロセスを学ぶことが多かったです
浪人中は特にものの見方や表現力を
磨くことができたという片山さん。
一方の大学では工芸という特性上、
素材の扱い方や知識・技術を
学ぶことが多かったそうです。
ですので結果的には
浪人中にしっかりと表現力を
身に付けられたのが良かったようで、
浪人していなかったら
今の自分はなかったと教えてくれました。
逃げるということ
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2024/05/winning-1529402_640-1-300x225.jpg)
生い立ちを話す片山さんからは
何度か「逃げる」という言葉が
出てきました。
勉強をしたくなかったから
芸術に進みました
一般的に「逃げる」という
表現にはネガティブなものが
含まれていることがあります。
しかし片山さんの場合、
(あくまで表現として)逃げた先に
芸術家としての活躍がありました。
片山さんのお話を伺っていると、
逃げるという言葉にはもっと柔軟な
解釈を持つべきだと感じました。
他にも片山さんは
こんな言葉を残してくれました。
(今の活動は)逃避先の
1つの到達点です
逃げてきて、ここまできました
最後に
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2024/05/png-211x300.png)
インタビューに協力して下さった
片山穣さんに厚く御礼申し上げます。
最後に、
片山さんは各SNSで
毎日ドローイング作品を
アップし続けています。
100いいねありがとうございます。
ドローイングが伸びるのも嬉しいですね。炎はとてもチルを感じるモチーフでよく描きますが周りの状況次第で全く違う表情になります。
折角なので過去の炎を描いたドローイングも載せときます。 pic.twitter.com/yXvTjKKlkZ— 片山 穣 [Katayama Joe] (@joe_katayama) April 27, 2024
作品はネットで販売もしているので、
気になった方は是非覗いてみて下さい。
最後まで読んで頂き、
ありがとうございました。