ギリシャ美術の代表作・特徴を解説【西洋美術史②】

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記事の要約

✓初めて生きてる人間がモチーフに

後世に多大な影響を与えた

4つの時代に分けて解説

 

ギリシャ美術は
紀元前1000年頃から始まります。

ギリシャ美術の特徴は、
生きている人間を
いきいきと表現したことです。

その背景には神人同形説と呼ばれる
考え方がありました。

神人同形説

神は人間と同じ姿で、同じ感情を持っているとする考え方

この考えをベースに、
理想的な人間を表現することで
神を称えようとしました。

まずはこの時代の作品の
画像を確認していきましょう。

幾何学文様 アルカイック・スマイル 円盤投げ パルテノン神殿 ラオコーン像

ミロのヴィーナス


画像を見て、
彫刻が多いなと思った方は
いませんか?

実はギリシャ時代は
神人同形説の影響もあり、
平面より立体的な作品の方が
より理想的な神を表現できる
考えられていました。

ですので絵よりも彫刻の方が
多いのもギリシャ美術の特徴です。


美術史年表
✓幾何学様式の時代
⇒紀元前1000年頃~
✓アルカイック時代
⇒~紀元前500年頃
✓クラシック時代
⇒~紀元前330年頃
✓ヘレニズム時代
⇒紀元前323~31年

ギリシャ美術の特徴

 

エーゲ海美術
エーゲ海周辺地図

紀元前1000年中頃、エーゲ海一帯で
ギリシャ美術が生まれました。

ギリシャ美術では
神は人間の姿をしているという思想のもと、
理想的な人間を模した作品が作られました。

ギリシャ美術は以下の
4つの時代に分けられます。

  1. 幾何学様式の時代
  2. アルカイック時代
  3. クラシック時代
  4. ヘレニズム時代

順に確認していきます。

幾何学様式の時代(紀元前1000年頃~)

 

幾何学文様

この時代はコンパスや定規を用いて、
円や曲線を陶器に合わせて配置した
作品が生まれます。

こうした特徴を原幾何学様式といいます。

ギリシャ人は美しいものが好きで、
幾何学様式を多用したのも、
美しさに魅了されたからともいわれています。

また、シンプルで倫理的な体系を美しいと
感じるギリシャ人の感性は
哲学などにも影響しました。

アルカイック時代(~紀元前500年頃)

 

クーロス
クーロス

アルカイック時代初期、
ギリシャに現れたのが
大型の大理石立像です。

裸体男性立像をクーロス、
着衣女性立像をコレーと呼び、
それぞれ青年、少女を意味します。

ポーズは男女共に正面を向いており、
男性像は片脚を前に出した自然なものです。

 

コレー
コレー

一方女性像は両脚を揃えたものが多く、
腕の動きにバリエーションがあります。

男性像は解剖学的な正確さが求められ、
女性は衣服や衣服のシワ(ドレーパリー)
の表現が重要視されました。

ドレーパリー

着衣にみられる「ひだ」のこと

 

アルカイック・スマイル
アルカイック・スマイル

こちらはアルカイック・スマイルという
アルカイック期彫刻の特徴の1つです。

唇の両端を軽くあげて微笑むような表情
のことをさしています。

石像をより人間らしくする要素の1つです。

 

ゴルゴン
「ゴルゴン」紀元前580年頃

アルカイック時代は
神殿建築が大型化したことも
特徴の1つです。

画像のゴルゴンはギリシャ神話に
登場する3人の怪物姉妹です。

 

黒絵式
「黒絵式」紀元前540年頃

絵画は陶器に描かれたものが残っています。
紀元前7世紀頃の黒絵式と呼ばれる
壺絵の技法もアルカイック時代の特徴です。

クラシック時代(~紀元前330年頃)

 

円盤投げ
円盤投げ

この時代の石像はアルカイック期のような
直立したものではなく、
動きを感じさせるものが多くなります。

片方の脚に体重をかけて
もう片方を脱力させ、
動きを感じさせるポーズのことを
コントラポストといいます。

この表現は正確な人体表現を
追求するだけでなく、
身体の動きやしぐさによって
内面や意志を表現する手段
でもありました。

 

ダヴィデ
ミケランジェロ「ダヴィデ像」1501~1504年

このコントラポストは
古典彫刻の最重要な特徴とされ、
後世まで引き継がれます。

 

パルテノン神殿
「パルテノン神殿」紀元前448~433年頃

ギリシャの都市国家アテネは、
クラシック時代に外敵ペルシアを破って
政治的に最盛期を迎えます。

有名なパルテノン神殿は、
ペルシア戦争で1度廃墟になっていますが、
彫刻家のフェイディアスが総監督となり、
15年の年月をかけて再建されました。

ヘレニズム時代(紀元前323~31年)

 

ラオコーン像
ラオコーン像

クラシック時代までの作品が
人間の理想美を表現したとするならば、
ヘレニズム時代からは
より人間らしく、時には荒々しい作風
ものがでてきます。

画像のラオコーン像は
ヘレニズムを代表する作品の1つです。

 

ペルガモンの大祭壇
「ペルガモンの大祭壇」紀元前165~前150年頃

こちらのペルガモンの大祭壇には
オリュンポスの神々と巨人族が戦う場面が
彫られています。

 

ミロのヴィーナス
「ミロのヴィーナス」紀元前100年頃

ミロのヴィーナスはギリシャ神話に出てくる
愛と美の女神アフロディテ(ヴィーナス)
をかたどった作品です。

螺旋状に身体を捻って、
どの角度からも美しく見えるように
造形されています。

 

アレクサンダー・モザイク
「アレクサンダー・モザイク」紀元前100年頃

ヘレニズム時代には絵画技法の1つ、
モザイク画も大きな発展を遂げました。

モザイク画とは、
色石やガラスを並べて
作る画のことです。

アレクサンダー・モザイクは
アレクサンドロス大王とペルシア人との戦い
が写実的に表現されています。

 

サムネ

まとめ

 

パルテノン神殿
まとめ

神人同形説のもと、理想的・解剖学的に正しい身体表現が用いられた

✓動きのない石像にアルカイック・スマイルコントラポストで生命感や内心を表現させた

✓アルカイック時代から神殿造りが盛んになり、クラシック時代にはパルテノン神殿が再建された

✓ヘレニズム時代にはダイナミックな表現モザイク画が発展した

次回はローマ美術を解説します。



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