芸術界にはアヴァンギャルドという
言葉があり、もとはフランス語で
「前衛部隊」を指す軍事用語でした。
この記事では、
芸術界におけるアヴァンギャルドの意味と、
類義語についても解説していきます。
アヴァンギャルドとは?
![前衛部隊](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2022/06/soldier-g368d264a9_640-1-300x200.jpg)
アヴァンギャルドのもとは
前衛部隊を指す軍事用語であり、
そこから「何かへの攻撃の先頭に立つ」や
「挑戦的な姿勢」といったニュアンスを
もつようになりました。
芸術界においては
「革新的な試み」や「実験的な試み」
という意味を指すようになり、
近代芸術の時代から使われ始めたと
いわれています。
リアリズムが発端?
![石割人夫](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2022/06/640px-Gustave_Courbet_018-1-300x183.jpg)
近代芸術がいつ頃から
始まったのかの定義は諸説ありますが、
一般的には1860年代頃といわれています。
それまでの伝統的技法・価値観によって
評価されたものではなく、
芸術家自身の創造性や質によって
評価されるべきという考えを基に、
アヴァンギャルドの概念が形成されました。
この年代から芸術界には
ピカソに代表されるキュビスムや未来派、
デ・ステイル、シュールレアリスムなど
革新的な試みを行った芸術家・グループが
多く台頭しました。
アヴァンギャルドの類義語
![辞書](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2022/06/dictionary-gbe1ef983d_640-1-300x200.jpg)
近代芸術以降、
様々な類義語が使われるようになるため、
まとめて確認しておきましょう。
- 近代芸術
⇒1860年代から1970年代に制作された作品・考え方を指す。モダンアートともいわれる。 - 現代芸術
⇒1950年以降から21世紀までの芸術を指す言葉。コンテンポラリーアートともいわれる。 - 前衛芸術
⇒アヴァンギャルドと同じ意味。
アヴァンギャルドの意味で
覚えておきたいのが、
決して時間や年代をわける言葉では
ないということ。
一方で前衛芸術以外の類義語は、
文脈の中で時や時代をあらわす際にも
用いられます。
例えば、ある文脈の中で、
現代に作られた作品という意味で
現代芸術という言葉が使われたとします。
ところが現代に造られた芸術の全てが
前衛的で革命的かといわれれば
当然そのようなことはありません。
よって文脈によっては
現代芸術=アヴァンギャルドではない
ことがわかるかと思います。
アヴァンギャルドの類義語として
用いられる際には、
当時の常識や規範に対する批判や、
それらを超越しようとする精神・考え方
の意味を含んでいることに注意です。
まとめ
![アヴァンギャルド](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2022/06/blog_20160708_20-300x214.jpg)
✓革新的、実験的な試みという意味
✓リアリズム(写実主義)の年代から用いられるようになった
✓近代芸術やモダンアートなどと同じ意味で用いられることがある
近代以降の用語には
意味が曖昧なものが多く、
定義が難しいです。
その難しさゆえに
誤解されて使われていることがあるので、
基本だけは押さえておいて
大きな間違いは避けるようにしたいですね。
✓前衛的という意味
✓革新的・実験的試み
✓単なる時代を表す言葉とは違う