アートの価値・値段はどのように決まる?

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記事の要約

希少性、歴史的価値、需要と供給

号単位×号数

プライマリーとセカンダリー

 

アート(絵)の価値って
わからないですよね。

意味のわからない
子供の落書きのような絵でも
数千万、数億円することもあります。

そこでこの記事では
なぜアートは高いのか
どうやって価値を決めているのかを
解説します。

この記事を読めば、
アートの価値観やアート市場を
理解することができるでしょう。


アートの価値・値段はどのように決まる?

 

問題

あなたは世界で1番
高額な絵の値段を知っていますか?

ちなみにこの作品です。

 

サルバトール・ムンディ
「サルバトール・ムンディ」

こちらはサルバトール・ムンディという
タイトルのイエス・キリストの肖像画です。

この作品は2017年のオークションで
約4億5000万ドルで落札されました。
(日本円だと約508億)

この作品はあの
レオナルド・ダ・ヴィンチ
描いたとされています。

 

サルバトール・ムンディの
次に高いのはクーニングの
インターチェンジです。

 

インターチェンジ

こちらの作品は2015年に
約3億ドルで個人間取引されています。
(日本円だと約305億)

一般人の感覚からは
かけ離れすぎて頭が少し
クラクラしてきます。

でもなぜアートは
こんなにも高額なのでしょうか?

 

世界で最も高い絵ランキング

絵の価値を決める3要素

 

3要素

一般的な絵の値段、
美術品の値段は以下の要素が
絡んでいます。

  1. 希少性
  2. 歴史的価値
  3. 需要と供給

アートは実用性がないけれど、
これらの基準で考えると
高額価値の正体がみえてきます。

まずは希少性です。

先程のレオナルド・ダ・ヴィンチの
絵を例に考えます。

 

サルバトール・ムンディ

レオナルド・ダ・ヴィンチの作品は
現存するものが少ないことで有名です。
(約15点程度)

そして当然ですが、
ダヴィンチは死去しているため
新たな作品も生まれません。
となるとその希少性は
とても高いということになります。

次に歴史的価値ですが、
こちらも申し分ないです。
盛期ルネサンスの巨匠である
あのダヴィンチの作品ですからね。

最後に需要と供給ですが、
これが1番価値に影響します。
ただ、今回のように希少性と歴史的価値が
あれば需要は勝手に上がります。

なぜなら、
歴史的な1品を所有しているという
ステータスの威力ははかりしれないからです。

その他、ビジネスライクな考え方をすると
(美術館などが)歴史的1品を所有すると
ブランディング、集客効果を期待できます。
すると事業投資的な需要も考えられますね。

アートの価値を測るのに大切なことは
目にみえる部分の価値ではなく、
目にみえない部分をどう考えていくか
が重要です。

 

絵画の価値・値段の考え方

現代アートの場合は?

 

問題

では現代アートの場合は
どのように値段が決まるのでしょうか?

この場合、意外かもしれませんが
作品のサイズによる計り売りです。

ただしアーティストのキャリアや実績で
号単位というものが変動し、
号単位によって同じ大きさの作品でも
値段が変わります。

そして号単位×号数
値段が決定するのです。

このような感じです↓

号単位10万円の芸術家が
5号の絵を描いたら、
10万×5(号)=50万円

しかしこの時に高価な原材料、
例えば金やラピスラズリなどを
作品で使っていたとすると
その材料費が作品価格に上乗せになります。

逆にキャンバスではなく紙に絵を描いたり、
材料費が安い場合は作品価格も安く
なったりします。

 

美術史とみていく技法について

アートの2つの市場

 

市場

次にアートの市場について
みていきます。

アートには大きく2つの市場があり、
それぞれを

  1. プライマリー・マーケット
  2. セカンダリー・マーケット

と呼びます。

まずプライマリー・マーケットですが
これは第1の市場という意味で、
アーティストがギャラリー(画廊)と
提携して販売する場合と、
アーティスト自身がギャラリーを借りて
直接作品を売買する場合があります。

ギャラリーと提携して販売する場合、
先ほどの号単位によって値段を決めます。
(若手の号単位は1~3万くらいです)

 

次にセカンダリー・マーケットですが
こちらは第2の市場という意味で、
1度売買されアーティストの手元から
離れた作品が再び市場に出ることです。

一般的にオークションなどは
セカンダリー・マーケットです。
そして、値段が無限に吊り上がるのも
こちらの市場になります。

アートのような1品ものの場合、
アーティストの偉業や功績が加味され、
付加価値がついた状態で
セカンダリーマーケットへ出品されると、
富裕層を中心に需要が高まり
物凄い価値がつくといった流れです。

まとめ

 

お金
まとめ

✓アートの価値は希少性、歴史的価値、需要と供給が関係する

✓現代アートは号単位×号数によって値段が決まる

✓アート市場にはプライマリーとセカンダリーの2つがある

今回はアートの価値の話でした。

実用性で価値を測るものではないので、
普段の感覚からすると少しわかりにくい
かもしれません。

しかし理解できれば、
ものや価値の違う側面が
みえてきたりしますよ。

 

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