ポスト印象派とは1880年代から
活躍した画家達をさす言葉です。
ポストとは「~の後」という接尾語で、
ポスト印象派は「印象派の後」という
意味をもちます。
また、ポスト印象派の画家に
共通する様式はないのですが、
印象派を継承しつつも独自に
印象派を乗り越えようとした点で
共通していました。
まずはポスト印象派の代表作の
画像を確認していきましょう。
✓印象派
⇒1860年~
✓ポスト印象派
⇒1890年頃~
ポスト印象派の特徴
印象派の美術はルネサンス以来の
大きな変化を美術にもたらしたと
いわれています。
そんな印象派がしだいに世間に
認められるようになった1880年代、
パリにはまた新たな世代の画家達が
集まっていました。
ゴッホやゴーギャン、セザンヌといった
若い画家達です。
ここからは1人ずつ
代表作や特徴をみていきましょう。
フィンセント・ファン・ゴッホ
フィンセント・ファン・ゴッホ
(1853~1890)は、オランダの画家です。
もともとは貧しい農民をテーマにした、
暗い色調の絵を多く描いていましたが
パリに移り印象派を知ると、
明るい色調の絵を描くようになりました。
また、日本の美術にも大きな関心をもって
いたことで有名です。
印象派の画家達が
外の世界を描いていたのに対し、
ゴッホの絵画には内面の世界や心の動き
が表現されています。
また、渦を巻くような筆さばきや
原色を使うことで表現力豊かな
世界を実現しました。
そんなゴッホの絵画は
後のアンリ・マティスなど
フォービズムの画家達に大きな影響を
与えました。
ポール・ゴーギャン
フランス生まれの
ポール・ゴーギャン(1848~1903)は
株式仲買人の仕事をしながら
印象派展に出品していた
アマチュア画家でした。
1883年には画家になることを決心し、
ゴッホと共同生活をした時期なども
ありましたが、最終的には文明を嫌い
南太平洋のタヒチに移り住みました。
ゴーギャンの特徴は平らな画面に
大きな色の面、鮮やかな色彩が特徴です。
タヒチに住んでからは
素朴で原始的な生活をテーマにする
ことが多く、紫や赤、緑など強い色彩で
独特の世界を表現しています。
そんなゴーギャンの世界観は
後のモーリス・ドニなど
ナビ派の画家達に受け継がれました。
ポール・セザンヌ
フランスの画家の
ポール・セザンヌ(1839~1906)は
印象派のように自然を描くことに関心が
ありました。
しかし彼の場合は古典絵画のような
しっかりした画面構成をめざし、
理想を追い求めて同じ題材を
何度も描き続けました。
セザンヌの絵は一見すると
平らな絵ですが、筆の重なりによって
微妙な遠近感を感じさせます。
これらはこれまでの遠近法や明暗法
ではない、全く新しい表現でした。
そんなセザンヌの作品は
後のキュビスムや20世紀後半の画家に
大きな影響を与えました。
まとめ
✓ポスト印象派とは「印象派の後」という意味
✓共通した様式はないが、それぞれが独自の表現方法を用いた
✓後のフォービズムやナビ派、キュビスムなどに影響を与えた
次回は象徴主義の美術を解説します。
✓印象派の後という意味
✓それぞれが独自の世界観を表現した
✓後世の画家に多大な影響を与えた