ビジネスエリートのための!リベラルアーツ西洋美術のレビュー

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どんな本?
  1. どんな内容の本?
    →西洋美術史だけでなく、
    アートと社会の繋がりが分かる
    →MBAでは学べない、
    感性と知性のベースを作る
  2. 印象に残ったこと
    →アートとお金、アートと社会
  3. オススメ度(5段階)
    →☆☆☆☆☆

 

美術教養主義!
この役に立たないものこそ、
大いに楽しむべきだと
ここで宣言させていただきます。
池上英洋

この記事ではすばる舎から出版されている
『ビジネスエリートのための!リベラルアーツ西洋美術』を紹介し、レビューしたいと思います。




ビジネスエリートのための!リベラルアーツ西洋美術

 

book cover
概要

出版社
すばる舎
発売日
2020/12/23
本の長さ
308ページ

本書には3人の執筆者が携わっています。

執筆者の1人である池上英洋さんは
東京造形大学の教授で、
西洋美術史・文化史の専門家です。

他にも西洋美術史を中心とした
書籍を多数執筆されています。

 

book cover
こちらも池上さんの本です

そんな池上さんはこの本の冒頭で、
興味深い言葉を記されています。

ここで学ぶことは、
あなたがたが社会に出るにあたり、
直接的には何も役に立ちません

これは池上さんが美大の生徒たちに
講義の最初に話すことだそうです。

講義の冒頭でこんなことを言われると
びっくりしますよね。

池上さん曰く、特に最近の学生は
費用対効果を求める傾向が強いため、
この言葉を聞いてぎょっとした顔を向ける
生徒もいるそうです。

役に立たないもの

 

衣食住のことや科学といった学問は
私達の生活に直接関係してくるものです。

一方、絵画や小説といったものは
役に立たないものの典型とされています。

理由はなくても生きていけるからです。

しかし、そんな役に立たないものを発展
させてきたのが人類だけなのも事実です。

池上さんはそこに、
私たちが人間である所以があるのではないか
と問いかけます。

アートが本当に役に立たないものなら、
紀元前から現代に至るまでの長い年月を
存続することはできなかったはず。

アートが役にたたないというのは
あくまで表面的な見方に
過ぎないのかもしれません。

また、そのようなものを学んでみた先に
本当の教養があるのかもしれません。

印象に残ったこと

 

本書の大見出しは以下のとおりです。

  1. 一枚の絵からわかること
  2. アートとお金
  3. アートと社会
  4. 私たちの暮らしとアート
  5. 鑑賞のための手引き
  6. 知っておきたいテーマ
  7. アートの歴史を駆け足で

 

本書は、よくある西洋美術史系の

  • この時代はこんな特徴が~
  • この画家はここがすごい~

のような内容だけでなく、
社会の中にあるアートの価値・目的
どんなものなのかをわかりやすく
解説しています。

ときにすごくビジネスライクな部分や
宗教上大切なことなど、
アートをもとに世界の常識や感覚が
理解できる内容です。

そのあたりがタイトルにある、
ビジネスエリートのためのリベラルアーツ
に関係している部分かなと感じました。

 

印象に残ったこと
  1. アートと社会の繋がりがわかる
    →初学者の方でも興味が湧きやすい
  2. 印象に残った章
    →アートとお金、アートと社会

オススメしたい人

 

本書を特にオススメしたいのは
以下の方です。

  1. アートに全く詳しくない方
  2. アートと社会の関わりを知りたい方
  3. 異文化や宗教について知りたい方
  4. お金や暮らしなど、美術史をテーマ別に知りたい方
  5. 教養を身につけたい方

アートのことを大枠から
学ぶことができるので、
今まで全くアートに触れたことがない方
にもオススメです。

反対に、
特定の画家や時代を勉強したい方、
個々の作品を詳細に学びたい方などは
他の本にしておきましょう。

レビュー

 

まとめ

 

book cover
まとめ

アートと社会の繋がりがわかる

西洋の文化や宗教、政治もわかる

アート完全初学者にもオススメ

オススメ度(5段階)
→☆☆☆☆☆

個人的なオススメ度は5です。

理由として、
やはりアートの大枠であったり
身近なものとの関連から学ぶことで
「アートってワケがわからない」と
拒否反応を示すような初心者の方にも、
興味を持たせてくれるような本だと
感じたからです!

気になった方は
ぜひ手に取ってみて下さい。