絵を見る技術のレビュー

 

記事の要約

✓名画の理由を言語化できる

✓構図や設計を学ぶことができる

✓ロジックが好きな人にオススメ

 

 君は見ているけど、
観察していないんだ、ワトソン君
シャーロック・ホームズ

この記事では朝日出版社から出版されている
『絵を見る技術』を紹介し、レビューしたいと思います。



絵を見る技術

 

著者の秋田麻早子さんは
テキサス大学美術史修士課程を卒業、
東京大学先端学際工学博士課程の単位を
取得等の経歴をお持ちの方で、
現在はフリーの美術史研究家として活躍
されています。

今回ご紹介する「絵を見る技術」は
絵の構図や設計をロジカルに解説している本
になります。

名画はなぜ名画なのか。
名画に隠された・計算された設計や構図、
作者の意図を学ぶことができます。

 

引用:DIAMOND online

美術・アートを鑑賞する上で
「背景とのやりとり」をするか、
「作品とのやりとり」をするか、
大きく2通りの楽しみ方があります。

販売されているアート書籍の多くが
そのどちらかに必要な知識や考え方を
解説している本なのに対し、
「絵を見る技術」は絵の見方という
絵画鑑賞の根本にあるロジックを
解説している本なので、
どちらの楽しみ方にも使える知識を
学ぶことができます。

 

背景とのやりとりにオススメな本↓

作品とのやりとりにオススメな本↓

この絵の主役はどこ?

 

鮭
高橋由一「鮭」1877年

絵画の多くにはその絵の「主役」
存在しています。

主役は鑑賞者に「自分が主役だ」と
気付いてもらうために
様々な特徴をもっています。

上の作品「鮭」の主役は
言わずもがな鮭ですね。

 

では、この作品の主役は
どこ(誰)でしょうか?

 

荘厳の聖母
ジョット「荘厳の聖母」1310年頃

正解は中央に位置し、
大きく描かれている聖母マリアと
キリストです。

ここまでの主役の描かれ方に
共通しているのは以下の通りです。

  1. 大きさ
    大きく描かれている
  2. 位置
    中央に描かれている
  3. 明暗の差
    コントラストに注目

このあたりは
わかりやすい主役の特徴ですね。

 

では、この作品の主役は
どこ(誰)でしょうか?

 

マドリード
ゴヤ「マドリード」1814年

正解は絵の中央左で
両腕を広げている白い服の男性です。

こちらの作品では
絵の中央に大きく主役が
描かれてはいません。

しかし明暗の差(コントラスト)により
主役が目立つように描かれています。

 

それでは、最後にこの作品の
主役はどこ(誰)でしょうか?

 

聖マリアの奉献
ティントレット「聖マリアの奉献」1553-56年

正解はぜひ本を読んで
お確かめください。

この本のポイント

 

前章の「主役はどこか?」は
本の序盤で解説されている内容です。

本書ではこの他にも
絵画の設計と構図に関する知識を
学ぶことができ、絵のどこに注目すべきか、
この絵はなぜ名作なのかを理解することが
できるようになります。

大見出しは以下のとおりです。

  1. この絵の主役はどこ?
  2. 名画が人の目をとらえて放さないのはなぜか?
  3. 「この絵はバランスがいい」ってどういうこと?
  4. なぜ、その色なのか?
  5. 名画の裏に構造あり
  6. だから、名画は名画なんです

 

センスがなくても、知識がなくても、
目の前の絵画を「自分の目で見る」、
そして「良し悪しを判断する」ことは、
できるんです。
謎を解くカギは、ぜんぶ絵の中にあります。

上位のレビュー

 

 

☆4以上のレビュー

写真や動画に繋がるであろう「構図」。それも名画と言われるモノ達の「構図」をロジカルに解説されています。主観だという意見もありますが、それでも「あぁなるほど」と落とし込んでくれている本です。
掲載された名画について、一枚ずつ「なぜ名画なのか」を解き明かしてくれます。感覚で良いとは分かりますが、「なぜ」の部分を表現できないことも多いので、非常に良い本だと思います。

 

☆3以下のレビュー

まだ中盤までしか読んでませんが…数ある美術書の一つとして、参考程度に読むのであれば「こんな考えもあるのね」と楽しめる本だと思います。
ただこの本一冊の内容だけで絵画を判断するのはおすすめ出来ないです。
部分的には納得できるところも多いけれど、でも、全体としては、「あまりにも…」という印象。ここに書いてある通りだとすれば、絵画は完全に数式的に語れてしまう。テクニックとして鑑賞できてしまう。それが著者の主張だけれども、もっとも大切なものが、そこでは死んでしまうような……。

オススメしたい人

 

今回の本を特にオススメしたい人は
以下のような方です。

  1. 絵画鑑賞の新たな物差しを得たい人
  2. なぜ名画なのかを言語化したい人
  3. 構図や設計などのロジックが好きな人

ロジックを学ぶことができるので、
感覚的に絵を楽しんだり、
非言語的な味わいを楽しむといったことが
苦手な人にはオススメしたい一冊です。

タイトル通りに
「絵を見る技術を高めたい」人には
ピッタリで、非常に楽しめる本だと思います。

反対に、
理屈っぽいのが苦手だったり
感覚的にアートを楽しみたい人は
他の本にしておきましょう。

まとめ

 

まとめ

✓名画の構図や設計を学べる一冊

✓名画が名画たる理由を言語化できる本

✓ロジックが好きな方にオススメ

気になった方は
ぜひ店頭で手に取ってみて下さい。