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絵を見る技術のレビュー

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どんな本?
  1. どんな内容の本?
    →絵の見方がわかる
    →どこに注目する?がわかる
    →なんで名画なの?がわかる
  2. 印象に残ったこと
    →絵の主役はどこ?
    →リーディングラインとは
  3. オススメ度(5段階)
    →☆☆☆☆☆

 

 君は見ているけど、
観察していないんだ、ワトソン君
シャーロック・ホームズ

この記事では朝日出版社から出版されている
『絵を見る技術』を紹介し、レビューしたいと思います。


絵を見る技術

 

book cover
概要

出版社
朝日出版社
発売日
2019/5/2
著者
秋田麻早子
本の長さ
288ページ

著者の秋田麻早子さんは
東京大学先端学際工学博士課程の
単位を取得する等の経歴をお持ちで、
現在はフリーの美術史研究家として
活躍されています。

本書は
絵の構図や設計及びそれの読み解き方
解説している本です。

名画はなぜ名画なのか。
名画に隠された、計算された設計や構図、
作者の意図を学ぶことができます。

この絵の主役はどこ?

 

salmon
高橋由一「鮭」1877年

多くの絵には主役が存在しています。

主役は鑑賞者に「自分が主役だ」と
気付いてもらうために
様々な特徴をもっています。

↑の作品「鮭」の主役は
言わずもがな鮭ですね。

 

では、この作品の主役は誰でしょうか?

 

Our Lady of Solemnity
ジョット「荘厳の聖母」1310年頃

正解は中央に位置し、
大きく描かれた聖母とキリストです。

2作品の主役の描かれ方に
共通しているのは以下の通りです。

  1. 大きさ
    大きく描かれている
  2. 位置
    中央に描かれている
  3. 明暗の差
    コントラストに注目

このあたりは
わかりやすい主役の特徴です。

 

では、この作品の主役は誰でしょうか?

 

Madrid, May 3, 1808
ゴヤ「マドリード」1814年

正解は絵の中央左で
両腕を広げている白い服の男性です。

こちらの作品では
絵の中央に大きく主役が
描かれていません。

しかし明暗の差コントラストにより
主役が目立つように描かれています。

 

最後にこの作品の主役は誰でしょうか?

 

Consecration of Saint Mary
ティントレット「聖マリアの奉献」1553-56年

正解はぜひ本を読んでお確かめ下さい。

印象に残ったこと

 

本書の大見出しは以下のとおりです。

  1. この絵の主役はどこ?
  2. 名画が人の目をとらえて
    放さないのはなぜか?
  3. 「この絵はバランスがいい」って
    どういうこと?
  4. なぜ、その色なのか?
  5. 名画の裏に構造あり
  6. だから、名画は名画なんです

 

先ほどの主役探しは第1章の内容です。

このように本書では、

  • この絵の設計はどうなってる?
  • なんでこの絵は優れているのか?
  • 名画が名画と呼ばれる由縁

などをロジカルに解説してくれます。

西洋美術史などの
時代背景とは違う角度の知識から、
鑑賞の面白さを加速してくれます。

 

印象に残ったこと
  1. 絵を見る技術が学べる
    →一般的な解説本と違う角度の知識
    →どこに注目する?がわかる
  2. 印象に残った章
    →名画が人の目をとらえて
    放さないのはなぜか?

オススメしたい人

 

本書を特にオススメしたいのは
以下の方です。

  1. 鑑賞の新たな物差しを得たい人
  2. なぜ名画なのかを言語化したい人
  3. 構図や設計などのロジックが好きな人

タイトル通りに
絵を見る技術を高めたい人には
ピッタリで、楽しめる本だと思います。

反対に、
理屈っぽいのが苦手だったり
感覚的にアートを楽しみたい人は
他の本にしておきましょう。

レビュー

 

まとめ

 

book cover
まとめ

名画の構図や設計を学べる一冊

名画の理由を言語化できる本

ロジックが好きな方にオススメ

オススメ度(5段階)
→☆☆☆☆☆

個人的なオススメ度は5です。

理由として、
絵を見る際の新たな知識とものさしが
学べる良い本だと感じたからです!

西洋美術史を一通り学んだ方にも
読んでほしい1冊!

気になった方は
ぜひ手に取ってみて下さい。