君は見ているけど、
観察していないんだ、ワトソン君
シャーロック・ホームズ
この記事では朝日出版社から出版されている
『絵を見る技術』を紹介し、レビューしたいと思います。
絵を見る技術
出版社
朝日出版社
発売日
2019/5/2
著者
秋田麻早子
本の長さ
288ページ
著者の秋田麻早子さんは
東京大学先端学際工学博士課程の
単位を取得する等の経歴をお持ちで、
現在はフリーの美術史研究家として
活躍されています。
本書は
絵の構図や設計及びそれの読み解き方を
解説している本です。
名画はなぜ名画なのか。
名画に隠された、計算された設計や構図、
作者の意図を学ぶことができます。
この絵の主役はどこ?
多くの絵には主役が存在しています。
主役は鑑賞者に「自分が主役だ」と
気付いてもらうために
様々な特徴をもっています。
↑の作品「鮭」の主役は
言わずもがな鮭ですね。
では、この作品の主役は誰でしょうか?
正解は中央に位置し、
大きく描かれた聖母とキリストです。
2作品の主役の描かれ方に
共通しているのは以下の通りです。
- 大きさ
→大きく描かれている - 位置
→中央に描かれている - 明暗の差
→コントラストに注目
このあたりは
わかりやすい主役の特徴です。
では、この作品の主役は誰でしょうか?
正解は絵の中央左で
両腕を広げている白い服の男性です。
こちらの作品では
絵の中央に大きく主役が
描かれていません。
しかし明暗の差により
主役が目立つように描かれています。
最後にこの作品の主役は誰でしょうか?
正解はぜひ本を読んでお確かめ下さい。
印象に残ったこと
本書の大見出しは以下のとおりです。
- この絵の主役はどこ?
- 名画が人の目をとらえて
放さないのはなぜか? - 「この絵はバランスがいい」って
どういうこと? - なぜ、その色なのか?
- 名画の裏に構造あり
- だから、名画は名画なんです
先ほどの主役探しは第1章の内容です。
このように本書では、
- この絵の設計はどうなってる?
- なんでこの絵は優れているのか?
- 名画が名画と呼ばれる由縁
などをロジカルに解説してくれます。
西洋美術史などの
時代背景とは違う角度の知識から、
鑑賞の面白さを加速してくれます。
- 絵を見る技術が学べる
→一般的な解説本と違う角度の知識
→どこに注目する?がわかる - 印象に残った章
→名画が人の目をとらえて
放さないのはなぜか?
オススメしたい人
本書を特にオススメしたいのは
以下の方です。
- 鑑賞の新たな物差しを得たい人
- なぜ名画なのかを言語化したい人
- 構図や設計などのロジックが好きな人
タイトル通りに
絵を見る技術を高めたい人には
ピッタリで、楽しめる本だと思います。
反対に、
理屈っぽいのが苦手だったり
感覚的にアートを楽しみたい人は
他の本にしておきましょう。
レビュー
絵を見る技術 名画の構造を読み解く(著:秋田麻早子)
あの名画は何故「名画」と呼ばれるのか。実はそれにはしっかりとした理論的な根拠が存在する。「絵画の見方」系の書籍はあまりしっくりこないのが多い中、本書は絵を見る方法を体系的にかつわかりやすく解説している。https://t.co/eAio4PXXQS pic.twitter.com/Krd3T3VQg8— 耽美なる絵画とモノ (@Estetism_jp) January 20, 2022
「絵を見る技術 名画の構造を読み解く」
秋田麻早子西洋絵画を、「感性」ではなく「論理的」に見る方法を伝えてくれる本。
絵の見方がひとつ増えるだけで、こんなに楽しくなるなんて、と思えた。
気になった箇所をまとめてるけど、
こうすれば必要なときにさっと取り出して見れるかな、と。 pic.twitter.com/ME4RLyfhA7— えんじゅ@読書垢 (@enju0515) July 5, 2020
【話題本!!📚】
『絵を見る技術 名画の構造を読み解く』「名画がどうして名画と呼ばれるのか。」
絵の主役はどこ?なぜこの色なの?絵のバランスって?構図?比例?分かってくると、さらにわくわくしてきます…カラー写真もいっぱい🎨🎨#きょう本 pic.twitter.com/tW7anTsD97— 早大生協戸山店 (戸山くん) (@wcoopbuncan06) May 9, 2019
まとめ
✓名画の構図や設計を学べる一冊
✓名画の理由を言語化できる本
✓ロジックが好きな方にオススメ
オススメ度(5段階)
→☆☆☆☆☆
個人的なオススメ度は5です。
理由として、
絵を見る際の新たな知識とものさしが
学べる良い本だと感じたからです!
西洋美術史を一通り学んだ方にも
読んでほしい1冊!
気になった方は
ぜひ手に取ってみて下さい。
→絵の見方がわかる
→どこに注目する?がわかる
→なんで名画なの?がわかる
→絵の主役はどこ?
→リーディングラインとは
→☆☆☆☆☆