このシリーズでは1つの作品に
隠された時代背景や解釈、
メッセージ性を読み解いていきます。
第17回目は
「死の島」です。
絵画を通して得た知見が
あなたの心のビタミンになれば
幸いです。
死の島を解説

題名
死の島
制作者
アルノルト・ベックリン
制作年
1880年
美術史では
象徴主義
寸法
110.9 cm × 156.4 cm
種類
油彩
所蔵
バーゼル市立美術館
今作はスイス出身の画家、
ベックリンの代表作ともいえる作品です。
画面中央に赤茶色の岸壁が
そびえる島が描かれており、
岸壁に囲まれるように生えているのは
棺の材料に使われる糸杉です。

島に近付く船には棺が置かれており、
舟の上には全身白の衣装を纏った
人物が描かれています。
今作のタイトルは画家自身が
つけたものではないですが、
この絵に描かれている島は墓地でしょう。
夫の喪に服するための絵

ベックリンは妻の友人から
依頼を受けて今作を描きました。
友人は夫を亡くしたばかりで、
「夫の喪に服するための絵」
として注文をしました。
その際ベックリンは同じ絵を
2枚同時に制作しており、
あとから仕上げた方を友人へ、
最初の方を手元に残しました。
その後もベックリンはことあるごとに
同じモチーフの絵を描いており、
現存しているだけでも5枚。
焼失したものも確認されているので、
実際はもっと描いています。
アドルフ・ヒトラーが所有

1883年に描かれた3枚目の死の島は
アドルフ・ヒトラーが所有していた
ことで知られています。
総統執務室の壁に飾られていましたが、
ヒトラーは一体、
なぜこの絵を執務室に飾ったのでしょうか。
メッセージ性

ベックリンは今作を
イタリア滞在中に描いており、
一説によるとナポリのイスニア島を
モチーフにして描かれたそうです。
しかし作中に見られるのは
決して明るくて鮮やかな海ではありません。
描かれたのは静寂に満たされた、
死の恐怖と孤独感に包まれた心情風景です。
あなたは今作から
どんな印象を受けるでしょうか。
是非、あなたなりのメッセージを
受け取ってください。
まとめ

✓夫を亡くしたばかり友人に向けて、
喪に服するための絵として描かれた
✓3枚目の死の島は
アドルフ・ヒトラーが所有していた
✓一説によるとナポリのイスニア島を
モチーフにして描かれた
一時は、この絵の複製が
数多くの家の居間にかけられていたそうです。
墓地の絵を居間に飾り、眺める‥
当時の人々はそこに
なにを想っていたのでしょうか。
最後まで読んで頂き、
ありがとうございました。














→同名の作品を多数手掛けた
→友人のために制作した
→総統執務室の壁に飾られていた