世界人口が約80億人の今、
キリスト教人口は22億人を超えている
ともいわれています。
日本ではあまり馴染みのない
キリスト教ですが、
世界で最も信者の多い宗教を
ざっくりとでも学びたくはありませんか?
そこでこの記事ではキリスト教の歴史から
カトリックとプロテスタントの違いまでを
解説していきます。
キリスト教の歴史をざっくりと
![crucifixion](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2020/06/cross-1979473_1280-300x200.jpg)
キリスト教はキリストの教えを中心に、
パレスチナから地中海沿岸の
ギリシャ・ローマへと広がりました。
当時のローマ帝国は多神教かつ
皇帝を崇拝する国家だったのですが、
キリスト教は一神教であり、
「皇帝よりも神の方が偉大である」
という考えを持ってるようなものだったので、
300年以上迫害を受けることになります。
![the Good Shepherd](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2021/01/img_8acf3c6b377018ceca97191318bcbe1b124872-300x291.jpg)
しかしキリスト教徒達は屈することなく
根強く布教を続け、ついに392年に
ローマ帝国の国教となるのでした。
395年にはローマ帝国が東西に分裂。
これと同時にキリスト教も東西に分かれ、
異なる傾向を持つようになっていきました。
そしてその分裂は次第に大きくなり、
1054年にキリスト教は大シスマを起こし
西の西方教会、東の正教会と完全に分かれます。
16世紀には宗教革命も起こり、
西方教会は更にローマ・カトリック教会と
プロテスタントに分裂することになります。
正教会
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2023/05/640px-Eastern_Orthodoxy_by_country-1-300x132.png)
正教会は東ローマ帝国で発展したことから
東方正教会とも呼ばれます。
信徒はギリシャ、東欧、ロシアに多いです。
正教会はイエスの信徒たちから続く
教会と神学の伝統を受け継ぎ、
忠実に守ろうとしています。
そのため「正統な教会」を略して
正教会と呼ぶようになりました。
正教を英語でいうとOrthodoxです。
正教会の特徴は神秘主義的で
教会にイコンと呼ばれる聖画像が
あることです。
ローマ・カトリック教会
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2023/05/640px-Catholic_population.svg-1-1-300x154.png)
西ローマ帝国の西方教会は、
ローマ・カトリック教会と唱えて
ローマ教皇のもとで発展しました。
キリスト教の教えにローマ帝国の
文化を融合させたような教派です。
信徒はフランス、イタリアなどに多いです。
「カトリック」とはギリシャ語で
普遍的・全般的という意味があります。
カトリック教の特徴として、
聖書だけでなく儀式や伝統を重んじる
ことがあげられます。
また、組織や体系をもって大きな影響力を
もつようになりました。
宗教革命
![religious revolution](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2021/02/Francois_Dubois_001-300x180.jpg)
カトリックの信仰の儀式化などは、
形骸化という問題も生み出しました。
意義を失い、形だけが残った状態のこと
その代表的なものに免罪符があります。
免罪符とは簡単に言うと、
買えば罪を許してもらえる証書
のようなものです。
カトリック教会にとって免罪符は
貴重な資金源となりましたが、
それが災いして宗教革命の原因となります。
プロテスタント
![Martin Luther](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2021/02/328px-Lucas_Cranach_I_workshop_-_Martin_Luther_Uffizi-1-205x300.jpg)
16世紀にドイツのマルティン・ルターは
形骸化したカトリック教に疑問を抱き、
「95箇条の議題」という文章を教会に
提出します。
これが宗教革命のきっかけとなりました。
ルターが掲げたのは以下の3つです。
- 信仰主義
→信じることでのみ救われる - 聖書主義
→信じられるのは聖書の内容だけ - 万人司祭
→信仰者は等しく神の前で祭司である
宗教革命後、カトリック教から分離する形で
プロテスタントが生まれました。
プロテスタントとは「抗議する者」という
意味があり、カトリック教のやり方に
抗議することから始まっています。
信徒はドイツや北欧に多いです。
- カトリックは組織・体系的が特徴
→一方で形骸化の問題
→免罪符が宗教革命の原因に - プロテスタント
→ドイツのルターが発端
→信仰主義、聖書主義、万人司祭
→カトリックから分離した形
カトリックとプロテスタントの違い
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2020/06/monument-3388941_1280-300x200.jpg)
ここからはもっと詳しく
カトリックとプロテスタントの違いを
見ていきましょう。
まず、キリスト教の最大宗派である
カトリック教の特徴は以下の2つ↓
- 一本集権制
- 伝統性
![catholic-hierarchy](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2023/05/catholic-hierarchy-1-300x239.webp)
ローマ教皇を頂点として、
ピラミッド型で成り立っています。
また、伝統を重んじる
カトリック教の優先順位は
- 神
- 教会
- 聖書
になります。
![basilica_di_san_pietro](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2023/05/640px-Basilica_di_San_Pietro_front_MM-1-300x200.jpg)
教会を信仰のシンボルとして
重要視していることから、
カトリック教の教会は豪華な見た目を
していることが多いです。
また、信仰だけでなく善行によって
救われると考えるのも特徴的です。
![bible](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2020/06/bible-2110439_1280-300x200.jpg)
次にプロテスタントですが、
以下の特徴があります↓
- 聖書主義
- 千差万別
ルターも唱えた聖書主義が
プロテスタントの基本です。
また、根本的な考え方が同じで
多くの教派で千差万別なのも特徴です。
そんなプロテスタントの優先順位は
- 神
- 聖書
- 教会
になります。
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2023/05/protestant-church_img2-300x206-1.webp)
教会を重視しないプロテスタントでは
質素な見た目の教会が多いです。
また、カトリックと違い
善行ではなく信仰でのみ救われると考え、
信徒は全員平等で階級制がありません。
まとめ
![](https://arttayousei.online/wp-content/uploads/2023/05/bible-gba803ee2f_640-1-300x169.jpg)
カトリックの特徴
①儀式や伝統を重んじる
②教皇を頂点にしたピラミッド構造
③優先度は神→教会→聖書
④教会の見た目は豪華
⑤信仰だけでなく善行も大切
プロテスタントの特徴
①信仰主義と聖書主義
②信徒はみんな平等
③優先度は神→聖書→教会
④教会の見た目は質素
⑤善行ではなく信仰が大切
上記の違いに加えて、
カトリックでは教職者のことを神父、
プロテスタントでは牧師と呼びます。
また、カトリックでは教職者の結婚は
認められていませんが、
プロテスタントでは認められています。
こうしてみると、
かなり違いが見えてきますね!
ご興味ある方はこちらの記事もどうぞ↓
→ローマ帝国と共に東西に分裂
→儀式や伝統を重んじる
→信仰主義と聖書主義