盛期ルネサンス後半/ミケランジェロの代表作や特徴を解説【西洋美術史⑫】

サムネイル14

 

記事の要約

☑盛期ルネサンス後半

☑ミケランジェロの特徴

☑ひねりと精神性


 

今回は盛期ルネサンス後半、
ミケランジェロの作品を中心に解説します。
彼の活躍により、
ルネサンス芸術は頂点に達した
ともいわれています。

まずは作品の
画像を確認していきましょう。

ピエタ ダヴィデ システィーナ礼拝堂の天井装飾 勝利 最後の審判


ちなみにミケランジェロは
画家ではなく彫刻家です。

絵画作品も残していますが、
彼は画家と呼ばれるのを酷く嫌ったそうです。

ミケランジェロ
ミケランジェロ


その他のルネサンス解説記事はコチラ

ルネサンス年表
〇プレ・ルネサンス(13‐14世紀)
⇒ジョットetc…
〇初期ルネサンス(15世紀)
⇒ドナテッロ、マザッチョ、ブルネッレスキetc…
〇盛期ルネサンス(1500~1530年)
⇒ダヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロetc…



盛期ルネサンスの後半

 

サン・ピエトロ大聖堂
サン・ピエトロ大聖堂

16世紀に入ると教皇ユリウス2世は、
ローマを復興・発展させる目的で
サン・ピエトロ大聖堂の改築や
システィーナ礼拝堂の天井装飾などを
ブラマンテやミケランジェロ、ラファエロに依頼します。

1517年にはドイツでマルティン・ルター
ローマ教皇庁に対して贖宥状の
販売に抗議の声を上げ、宗教革命が起きました。

ローマやカトリック教が大きく動いた時代に、
ミケランジェロは万能人と呼ばれる由縁となる
作品を多く残します。

ピエタ

 

ピエタ
「ピエタ」1498‐1500年

ミケランジェロは1475年に
フィレンツェ貴族の家系に生まれます。

当時のフィレンツェには14・15世紀の美術を
リードしたジョットマザッチョ
名品が多く残っていました。

ミケランジェロは幼少期から
ルネサンス芸術の中核でもある
古典的な人体表現を学んでいき、
初期の頃の作品であるピエタにも
その影響を見ることが出来ます。

ダヴィデ

 

ダヴィデ
「ダヴィデ」1501‐1504年

1501年にミケランジェロは
フィレンツェでダヴィデを彫る仕事につきます。

ドナテッロなどは旧約聖書の記述に従って
ダヴィデを少年の姿で表現しましたが、
ミケランジェロは伝統的な図像を避け、
たくましい青年の姿でダヴィデの
英雄的な性格を表現しました。

ダヴィデ
ドナテッロ「ダヴィデ」1440年

さらにドナテッロのダヴィデ像が、
戦いに勝利を収めた瞬間の作品なのに対し、
ミケランジェロは戦いを前にした
瞬間を表現しており、緊張感と勝利への意思を
感じさせます。

システィーナ礼拝堂の天井装飾

 

システィーナ礼拝堂の天井装飾
「システィーナ礼拝堂天井画」1508‐1512年

ミケランジェロ作品の特徴の1つに
ひねりがあります。
現実にはありえないひねりを体に施すことに
よって緊張感を生み出し、
複雑で高度な精神性の表現を図りました。

システィーナ礼拝堂天井画の1つである
アダムの創造を見てみましょう↓

アダムの創造
「アダムの創造」1511年

この作品でもひねりが施されています。

ちなみに人体の身振りによって
感情表現の可能性を探るきっかけになったのは、
ニッコロ・デッラルカの作品であると
考えられています。

十字架降下
ニッコロ・デッラルカ「十字架降下」1485‐1490年
十字架降下
ニッコロ・デッラルカ「十字架降下」1485‐1490年

ミケランジェロはレオナルド・ダ・ヴィンチより
23歳年下ですが、ダヴィンチが完成させた
線遠近法や空気遠近法などの
合理主義を乗り越えるために、
あえて主観的な人体表現を追求しました。

勝利

 

勝利
「勝利」1527‐1534年

この作品でもミケランジェロの特徴である
ひねりが見られます。
更にこの作品は10頭身以上に
身体を引き伸ばしています。

規範を破るような彼の行為は
自由(リチェンツァ)と称賛され、
後のマニエリスムに影響を与えました。

最後の審判

 

最後の審判
「最後の審判」1535‐1541年

最後の審判はシスティーナ礼拝堂の
祭壇壁に制作されました。
ミケランジェロは伝統と違って、
キリストの姿を若々しく髭がない姿で表現しました。

また、ミケランジェロの最後の審判は
左側の天国と右側の地獄が渦巻き状の
動きに沿って表現されています。

まとめ

 

ミケランジェロ
ミケランジェロの自画像
☑ミケランジェロは幼い頃からジョットやマザッチョの作品を見て、古典的な人体表現を学んだ

☑ダヴィデや最後の審判など、それまでの伝統とは異なる表現方法を用いた

☑ダヴィンチの合理主義を乗り越えるために、あえて主観的な人体表現を追求した

☑作品の特徴の1つにひねりがある

次回はヴェネツィア美術を解説します。