美術検定2~3級合格のためには
大まかな美術史の流れを
把握しておく必要があります。
特に美術検定2級は出題範囲広いので
効率の良い勉強法を学んで
しっかり対策したいところです。
そこでこの記事では
美術史を勉強する際のポイントと、
効率の良い過去問の活用法を解説します。
美術検定対策

美術検定の公式テキストは
原始・古代美術から始まり、
現代アートまで美術史の流れに沿って
解説しています。
美術史通り順番に勉強するのもいいですが、
私は好きな時代から勉強することを
オススメします。
その理由は以下の2点↓
- 楽しんで学習できる
- モチベーションの低下防止
順に解説します。
楽しんで学習できる

初めて美術史を学ぼうとされる方も、
興味のある時代や好きな画家がいる
時代があると思います。
そのような時代の勉強は、
興味のない時代に比べて
楽しめるものです。
楽しみながら勉強することで
記憶力も向上し、得点UPに繋がります。
モチベーションの低下防止

美術史通りに最初から勉強すると、
途中でモチベーションが
低下することがあります。
美術史の勉強では、
興味のない時代や
暗記が難しい時代も
あるからです。
興味のない時代が続くと
勉強が嫌になるので、
好きな時代から勉強して、
徐々に範囲を増やしていく
ようにすればよいです。
こんな感じです↓
例)印象派が好きだったとすると…
まずは印象派から勉強
⇒印象派の前後の時代は
どうだったのか確認
(写実主義やポスト印象派の時代)
⇒印象派と同時代の日本を確認
(ペリー来航、高橋由一が
近代絵画の基礎を作る)
順番を工夫しながら
モチベーションを維持し、
美術史学習を楽しみましょう。
美術検定過去問の活用法

ここからは美術検定過去問テキストの
活用法を解説します。
おそらく過去問の問題は解くだけ、
分からなかったら解答を覚えるだけ
という使い方の人が多いのでは
ないでしょうか?
しかし過去問はコツ1つで
理解度を大幅に上げることができます。
例題に使うのはコチラ↓
答えを探すだけでは×
それでは実際に美術検定2級のような
選択形式の問題をやってみましょう。
例題①
Q13.「初期ルネサンス」とほぼ同じ意味で
使われる用語はどれですか。
- ノヴェチェント
- クアトロチェント
- トレチェント
- チンクエチェント
引用:もっと深める美術の歴史一問一答2級練習問題 p14
このような問題を解く場合↓
- 答えを知っている
⇒➁の選択肢を選んで次に進む - 答えを知らない
解答を見て、次に進む
とするのが多いと思いますが、
それだと効率が悪いです。
設問に対して
答えを1つ選ぶもしくは答えを暗記して
進んでいると、
同じような問題が出された時しか
対応出来なくなります。
ですので効率よく過去問を利用する場合、
選択肢全てを確認するという作業が重要です。
- ノヴェチェントは1900年代のことだから初期ルネサンスではない
- クワトロチェントはイタリア語で400の意味。転じて1400年代=15世紀だから初期ルネサンスのこと
- トレチェントは14世紀のこと、ゴシック時代だから違う
- チンクエチェントは…?
このように選択肢全てを考えていきます。
ここで例えば、
④の選択肢が分からなかったとします。
設問の答えは②なので、
④の選択肢を知らなくても
得点には関係しません。
(だから飛ばしてしまいがちです)
しかし今回の方法では
④の選択肢も分からなかったこととして
調べて勉強します。
そうすることで
単に設問の答えを学習するより、
知識を多く得ることができます。
この勉強法を身につけると仮に本番で↓
「盛期ルネサンス」とほぼ同じ意味で
使われる用語はどれですか。
- チンクエチェント
- トレチェント
- クアトロチェント
- ノヴェチェント
のような変則パターンの問題が
出されても対応することができます。
もし先程の問題でクアトロチェントは
初期ルネサンスの意味としか
覚えていなかったら、
この問題の選択肢を絞ることが
できませんよね。
例題②

Q27.図の作者について、
正しい記述はどれですか
- フスマートや空気遠近法などの技法を発展させ、建築や科学にも秀でた芸術家である。
- ルネサンス三大巨匠のひとりとされ、「キリストの変容」をはじめとした祭壇画も多く描いた。
- 出身地ペルージアやフィレンツェ、ローマで活躍し、宗教画を得意とした画家である。
- ルネサンスの巨人とも呼ばれ、生涯最後の作品は「ロンダニーニのピエタ」である。
引用:もっと深める美術の歴史一問一答2級練習問題 p20
図はラファエロの代表作の1つ
「アテナイの学堂」です。
今回も答えを探すのではなくて、
選択肢全てを確認していきます。
①はスフマートや空気遠近法、
建築や科学にも秀でているとあるので
万物の天才と呼ばれた
レオナルド・ダヴィンチです。
②は三大巨匠のひとりで
「キリストの変容」が有名といえば
ラファエロです。

ここで答えは②と分かりましたが、
続けていきます。
③は出身地がペルージアとあるので
「ペルージア 出身 画家」でググると
ルネサンス期のイタリア画家
ピントゥリッキオであると分かりました。

ピントゥリッキオは
ローマなどで宗教画を多く手掛けています。
④はルネサンスの巨人と
生涯最後の作品が
「ロンダニーニのピエタ」
であることからミケランジェロですね。

これで全ての選択肢の
確認が終わりました。
こうすることで
この問題では
以下の知識を学ぶことが出来ました↓
- スフマートや空気遠近法を使い、建築や科学にも秀でている
⇒レオナルド・ダヴィンチ - 「キリストの変容」をはじめとした祭壇画も多く描いた
⇒ラファエロ - ペルージア出身でローマ・フィレンツェで活躍した画家
⇒ピントゥリッキオ - ルネサンスの巨人と呼ばれ「ロンダニーニのピエタ」が最後の作品
⇒ミケランジェロ
過去問の活用法として今回の方法を
是非、参考にしてみて下さい。
まとめ

✓美術史は好きな時代から勉強する
✓好きな時代の前後など、徐々に勉強範囲を広げる
✓過去問は選択肢全てを考える作業が大事
私はこの記事で紹介した勉強法を使い、
仕事の傍ら3か月で
美術検定2級に合格することが出来ました。
是非、あなたも効率よく勉強して
美術検定を合格して下さい。
✓好きな時代から勉強する
✓過去問は選択肢を全て考える
✓解答以外の部分を学ぶ意識をもつ