美術検定2級の勉強法を解説

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記事の要約
  1. 公式テキストを繰り返し学習
  2. 正解の丸暗記は避ける
  3. 選択肢全てを考えていく

 

美術検定という、
美術鑑賞に関する検定があります。

1級から4級まであり、
1級を受験するのは2級の合格が
条件となっています。
(その他の級は条件なし)

そこでこの記事では、
2級の勉強法を公式ブログも
参考にしながらまとめていきます。
(筆者は2016年に2級を1発合格しています)


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美術検定2級の勉強法

 

公式ブログには
2級合格者にアンケートをとり、
オススメの勉強法を調査しています。

オススメの勉強法
  1. 問題集やテキストを繰り返し学習
  2. 様々なジャンルの展覧会に行く
  3. 世界史・日本史の学習の復習

またYoutubeを見るといった
意見も多かったようです。

中でも山田五郎さんのチャンネルは
私もファンで記事にもしています。
よろしければそちらもどうぞ。

わたしが行った勉強法

 

アンケート同様、
私も問題集とテキストを繰り返し
読み込んで勉強しました。

具体的には↓のような感じ

  1. まずはテキストを通しで勉強
    →①のテキストを使う
    →このとき理解度は5割程度で〇
  2. 好きな時代に戻って復習
    →①と②のテキストを使う
    →理解度をあげていく
  3. すき間時間に③を読んでおく
    →このテキストは1周読んでおく程度
    (当時は別の本でした)
  4. 問題集に取り組む
    →問題の傾向を掴む
    →何度も復習

試験の数週間前は
過去問だけやってました。

問題集の活用法

 

ここからは問題集の活用法を解説します。

とはいっても考え方はシンプルで、
「答えだけを覚えないこと」これだけです。

 

例題①

 

Q13.「初期ルネサンス」とほぼ同じ意味で
使われる用語はどれですか。

  1. ノヴェチェント
  2. クアトロチェント
  3. トレチェント
  4. チンクエチェント

引用:もっと深める美術の歴史
一問一答2級練習問題 p14

このような問題を解く場合↓

  1. 答えを知っている
    ⇒2の選択肢を選んで次に進む
  2. 答えを知らない
    解答を見て、次に進む

とするのが多いと思いますが、
それだと効率が悪いです。

設問に対して答えを1つ選ぶ、
もしくは答えを暗記して進んでいると、
同じような問題が出された時しか
対応出来なくなります。

ですので効率よく学ぶ場合、
選択肢全てを確認する
という作業が重要です。

 

選択肢全てを確認する
  1. ノヴェチェントは1900年代のこと
    だから初期ルネサンスではない
  2. クワトロチェントは400の意味。
    転じて1400年代=15世紀だから
    初期ルネサンスのこと
  3. トレチェントは14世紀のこと、
    ゴシック時代だから違う
  4. チンクエチェントは…?

このように選択肢全てを考えていきます。

例えばここで、
④の選択肢が分からなかったとします。

設問の答えは②なので、
④の選択肢を知らなくても
得点には関係しません。

しかし今回の方法では④の選択肢も
分からなかったこととして
調べて勉強します。

調べた結果
④のチンクエチェントはイタリア語で500の意味。1500年代を指し、盛期ルネサンス~マニエリスムの時代を指す

 

そうすることで
単に設問の答えを学習するより、
知識を多く得ることができます。

この勉強法を身につけると仮に本番で↓

「盛期ルネサンス」とほぼ同じ意味で
使われる用語はどれですか。

  1. チンクエチェント
  2. トレチェント
  3. クアトロチェント
  4. ノヴェチェント

のような変則パターンの問題
出されても対応することができます。

もし先程の問題で初期ルネサンスの
意味しか暗記してなかったら、
この問題の選択肢を絞れませんよね。

*解説で全ての選択肢の答えを
書いてくれているものもあります。
その場合、答えだけでなく他の選択肢も
しっかり覚えておくイメージでOKです。

 

例題②

 

School of Athens

Q27.図の作者について、
正しい記述はどれですか

  1. フスマートや空気遠近法などの技法を発展させ、建築や科学にも秀でた芸術家である。
  2. ルネサンス三大巨匠のひとりとされ、「キリストの変容」をはじめとした祭壇画も多く描いた。
  3. 出身地ペルージアやフィレンツェ、ローマで活躍し、宗教画を得意とした画家である。
  4. ルネサンスの巨人とも呼ばれ、生涯最後の作品は「ロンダニーニのピエタ」である。

引用:もっと深める美術の歴史
一問一答2級練習問題 p20

図はラファエロの代表作の1つ
アテナイの学堂」です。

今回も答えを探すのではなくて、
選択肢全てを確認していきます。

①はスフマートや空気遠近法、
建築や科学にも秀でているとあるので
万物の天才と呼ばれた
レオナルド・ダヴィンチです。

②は三大巨匠のひとりで
「キリストの変容」が有名といえば
ラファエロです。

 

Transfiguration of Christ
ラファエロ「キリストの変容」1520年

ここで答えは②と分かりましたが、
続けていきます。

③は出身地がペルージアとあるので
「ペルージア 出身 画家」でググると
ルネサンス期のイタリアの画家
ピントゥリッキオであると分かりました。

 

pintoricchio
ピントゥリッキオ『議会に出発するアエネアス・シルウィウス・ピッコローミニ』

ピントゥリッキオは
ローマなどで宗教画を多く手掛けています。

④はルネサンスの巨人と、
生涯最後の作品が
「ロンダニーニのピエタ」
であることからミケランジェロですね。

 

Rondanini Pieta
「ロンダニーニのピエタ」1552‐1564年

これで全ての選択肢の
確認が終わりました。

こうすることでこの問題では
以下の知識を学ぶことが出来ました↓

学んだこと
  1. スフマートや空気遠近法を使い、
    建築や科学にも秀でている
    レオナルド・ダヴィンチ
  2. 「キリストの変容」をはじめとした
    祭壇画も多く描いた
    ラファエロ
  3. ペルージア出身で
    ローマで活躍した画家
    ピントゥリッキオ
  4. ルネサンスの巨人と呼ばれ、
    ロンダニーニのピエタが最後の作品
    ミケランジェロ

まとめ

 

まとめ

✓問題集とテキストを繰り返し
読み込んで勉強(これが確実)

✓問題集は正解だけ暗記しないこと

✓選択肢全てを理解していくイメージ