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ギリシャ美術とは?代表作・特徴を解説【西洋美術史②】

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記事の要約
  1. ギリシャ美術の特徴
    →理想的な人間を表現
    →絵より彫刻が多い
  2. ギリシャ彫刻で重要なのは
    →コントラポスト
  3. ヘレニズム時代
    →ダイナミックな彫刻
    →モザイク画が発展

 

ギリシャ美術の特徴は、
人間をいきいきと表現したことです。

その背景には神人同形説と呼ばれる
考え方がありました。

神人同形説

神は人間と同じ姿で、同じ感情を持っているとする考え方

その考え方をベースに、
理想的な人間を表現することで
神を称えようとしました。

また、立体的な作品の方がより
理想的な神を表現できると考え、
絵より彫刻の方が多いのも
ギリシャ美術の特徴です。

まずはこの時代の作品の
画像を確認していきましょう。

Geometric pattern archaic smile discus throw the Parthenon Venus de Milo


美術史年表

原始美術⇒B.C.30000年頃~

・幾何学様式の時代
⇒B.C.1000年頃~
・アルカイック時代
⇒~B.C.500年頃
・クラシック時代
⇒~B.C.330年頃
・ヘレニズム時代
⇒B.C.323~31年

ローマ美術⇒B.C.27年~



ギリシャ美術の特徴

 

Aegean sea map
エーゲ海周辺地図

紀元前1000年中頃、
エーゲ海一帯でギリシャ美術が
生まれました。

ギリシャ美術では
神は人間の姿をしているという思想のもと、
理想的な人間を模した作品が作られました。

ギリシャ美術は以下の
4つの時代に分けられます。

  1. 幾何学様式の時代
  2. アルカイック時代
  3. クラシック時代
  4. ヘレニズム時代

順に確認していきます。

幾何学様式の時代(B.C.1000年頃~)

 

Geometric pattern

この時代はコンパスや定規を用いて、
円や曲線を陶器に合わせて配置した
作品が生まれます。

こうした特徴を原幾何学様式といいます。

ギリシャ人は美しいものが好きで、
幾何学様式を多用したのも、
美しさに魅了されたからともいわれています。

また、シンプルで倫理的な体系を
美しいと感じるギリシャ人の感性は
哲学などにも影響しました。

アルカイック時代(~B.C.500年頃)

 

Marble statue of a kouros
クーロス

アルカイック時代に現れたのが
大型の大理石立像です。

裸体男性立像をクーロス
着衣女性立像をコレーと呼び、
それぞれ青年、少女を意味します。

ポーズは男女共に正面を向いており、
男性像は片脚を前に出した自然なものです。

 

kore
コレー

女性像は両脚を揃えたものが多く、
腕の動きにバリエーションがあります。

男性像は解剖学的な正確さが求められ、
女性は衣服や衣服のシワドレ―パリーの表現が
重視されました。

 

archaic smile
アルカイック・スマイル

こちらはアルカイック・スマイルという
アルカイック期彫刻の特徴の1つです。

唇の両端を軽くあげて
微笑むような表情のことをさします。
石像をより人間らしくする要素の1つです。

 

Gorgon
「ゴルゴン」紀元前580年頃

この時代は神殿建築
大型化したことも特徴の1つです。

↑のゴルゴンはギリシャ神話に
登場する3人の怪物姉妹です。

 

black-figure
「黒絵式」紀元前540年頃

絵は陶器に描かれたものが残っています。
紀元前7世紀頃の黒絵式と呼ばれる
壺絵もこの時代の特徴です。

クラシック時代(~B.C.330年頃)

 

discus throw
円盤投げ

クラシック時代の像は直立したものでなく、
動きを感じさせるものが多くなります。

片方の脚に体重をかけて、
もう片方を脱力させるポーズのことを
コントラポストといいます。

この表現は正確な人体表現を
追求するだけでなく、
身体の動きやしぐさによって
内面や意志を表現する手段
でもありました。

 

David by Michelangelo
ミケランジェロ「ダヴィデ像」1501-1504年

このコントラポストは
古典彫刻の最重要な特徴とされ、
後世まで引き継がれます。

 

the Parthenon
「パルテノン神殿」紀元前448-433年頃

ギリシャの都市国家アテネは、
この時代に外敵ペルシアを破って
政治的に最盛期を迎えます。

パルテノン神殿は、
ペルシア戦争で1度廃墟になっていますが、
彫刻家のフェイディアスが総監督となり、
15年の年月をかけて再建されました。

ヘレニズム時代(B.C.323~31年)

 

laocoon statue
ラオコーン像

クラシック時代までの作品が
人間の理想美を表現したとするならば、
ヘレニズム時代からは
より人間らしく、時には荒々しい作風
ものがでてきます。

↑のラオコーン像は
ヘレニズムを代表する作品の1つです。

 

Pergamon altar
「ペルガモンの大祭壇」紀元前165-前150年頃

こちらのペルガモンの大祭壇には
オリュンポスの神々と巨人族が戦う場面が
彫られています。

 

Venus de Milo
「ミロのヴィーナス」紀元前100年頃

ミロのヴィーナスはギリシャ神話に出てくる
愛と美の女神アフロディテヴィーナス
かたどった作品です。

螺旋状に身体を捻ってどの角度からも
美しく見えるように造形されています。

 

The Alexander Mosaic
アレクサンダー・モザイク(紀元前100年頃)

ヘレニズム時代には絵画技法の1つ、
モザイク画も大きな発展を遂げました。

モザイク画とは、
色石やガラスを並べて
作る画のことです。

アレクサンダー・モザイクは
アレクサンドロス大王とペルシア人との戦い
が写実的に表現されています。

 

モザイクやフレスコ、テンペラとは?

まとめ

 

the Parthenon
まとめ

✓理想的・解剖学的に正しい
身体表現が用いられた

✓石像にアルカイック・スマイルや
コントラポストで生命感を表現した

✓クラシック時代には
パルテノン神殿が再建された

✓ヘレニズム時代にはダイナミックな
表現やモザイク画が発展した

次回はローマ美術を解説します。



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