彫刻のとらえ方=
彫刻×背景×自分が鑑賞する角度
堀越 啓
この記事では翔泳社出版の
 『西洋美術は「彫刻」抜きには語れない』を紹介し、レビューしたいと思います。
西洋美術は「彫刻」抜きには語れない 教養としての彫刻の見方

出版社
 翔泳社
 発売日
 2022/4/22
 著者
 堀越啓
 本の長さ
 240ページ
著者の堀越さんはSDアートの代表で、
 全国の美術館や美術関係者と仕事を行い、
 コンサルティング業なども行っています。
本書は西洋彫刻に特化した内容で、
 非常に理論的、体系的に
 まとめられているのが特徴です。
- 彫刻は難しそうだと思っている方
- 絵画に比べ地味だと思っている方
- 美術館でも彫刻をスルーしていた方
などにオススメしたい一冊です。
なぜ、いま「彫刻」なのか?

「絵画を鑑賞する場所」と聞かれれば
 多くの人が美術館を想像すると思います。
一方、彫刻も美術館にありますが
 実はもっと近くにもあったりします。

それは屋外です。
基本的に絵画は屋外に展示できませんが、
 彫刻は屋外にも展示が可能で、
 それにより広い空間を活用できたり
 季節や天気で味わいが変化するのも特徴です。
近年ではパブリックアートなど
 街中に芸術を組み込む活動も活発化したり、
 普段気軽に触れることのできるアートは
 彫刻といえるかもしれません。

加えて堀越さんは、
 コロナにより美術館にも心理的バリアが
 生まれているのではと問いかけたうえで、
 屋外彫刻を鑑賞することはバリアをやわらげ、
 アート欲を満たしてくれる存在であった
 と語っています。
印象に残ったこと

本書の大見出しは以下のとおりです。
- 彫刻はこんなにおもしろい
- 彫刻から美術史が簡単に理解できる
- 彫刻作品を鑑賞するコツ
- これだけは押さえたい彫刻作品
- 彫刻で人生は豊かになる
本書はグラフや図を用いながら
 論理的・体系的に西洋彫刻を
 学ぶことができます。
タイトルにもあるように
 西洋美術史を語るうえで避けられない
 彫刻の歴史を5つの時代に分けて、
 各々の代表作品や背景が
 解説されているのも特徴的です。
論理的・体系的な学びが
 好きな人にはピッタリの1冊でしょう。
- 彫刻の歴史や見方がわかる
 →西洋美術史は彫刻の歴史
 →絵画の解説本は多いが、
 彫刻の解説本は少ない
オススメしたい人

本書を特にオススメしたいのは
 以下の方です。
- アートに全く詳しくない方
- 身近にあるアートに気付きたい方
- 西洋絵画の勉強をしてきた方
②に関して、アートというのは
 知っていれば見えてくるものが
 必ず存在します。
街中にある彫刻作品に関しても同様で
 知らないから気付かない、
 今までスルーしていたことが沢山あります。
ですので視野を広げたい方や
 感性を磨きたい方にオススメです。
また、彫刻を理解することで
 見えてくる西洋絵画の世界もあります。
絵画を鑑賞するうえでも
 彫刻を学ぶことは大切なので、
 ③のような方にもオススメします。
反対に、
 特定の彫刻家や時代を勉強したい方、
 理屈っぽいのが苦手な方は
 他の本にしておきましょう。
レビュー

西洋美術は「彫刻」抜きには語れない 教養としての彫刻の見方https://t.co/0xAhZgemsZ
「彫刻」がわかると西洋美術もわかる。
これまでなかった、エキサイティングな彫刻の見方。海外の美術館で、まず私たちを迎えてくれるのは、
「彫刻」の数々。彫刻の見方がわからなくて、素通りしていませんか? pic.twitter.com/IHlOm2sKyD— 東京美術館巡り【公式】 (@tokyoartmuseum) April 23, 2022
『西洋美術は「彫刻」抜きには語れない』のカバーデザインを担当いたしました。まわりに立体作品は身近に存在しているのに、彫刻というと難しそうに感じませんか?西洋美術の中でも彫刻に焦点を当て、有名なあの彫刻家たちの話を交えた彫刻の新しい見方・鑑賞のコツを学べます!(翔泳社) pic.twitter.com/SbbZujzNQy
— krran/カラン (@krran_) April 13, 2022
西洋美術は「彫刻」抜きには語れない/堀越啓#読了
彫刻の概念が自分の認識よりも広いということ、それから鑑賞にあたっては台座や置かれている場所(目線の上方か下方がも含めて)についても意識すべしというのがわかってよかった
なんとなくしか見れていなかった作品をもう少しだけ深く楽しめそう pic.twitter.com/cayHlTn8nL
— 書店で週末を過ごす (@bookstore_wkend) June 19, 2022
まとめ

✓西洋の彫刻を学ぶのにオススメな本
✓西洋おける彫刻の流れを掴める
✓アートの存在をもっと身近に
 感じることができる
オススメ度
 →
個人的なオススメ度は3です。
理由として、
 とてもロジカルな反面
 好みが分かれそうな一冊だと
 感じたからです。
気になった方は
 ぜひ手に取ってみて下さい。








→西洋美術の彫刻が学べる
→彫刻に特化したのは珍しい
→