2種類の美術鑑賞法を解説/アートはどうやって鑑賞するのか

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記事の要約

☑知識をもって鑑賞するか

☑知らずにしっかり向き合うか

☑使い分ければ鑑賞が変わる


 

美術鑑賞の楽しみ方は
人それぞれ自由ですが、
鑑賞法を教えて欲しいという
人もいるかと思います。

そこでこの記事では、
美術作品の鑑賞法を大きく2つに分けて
解説します。

その2つがコチラ↓

☑作品の背景を探る鑑賞法

☑作品そのものと向き合う鑑賞法

分けて覚えておくと、
作品の見方が深まります。





作品の背景を探る鑑賞法

 

絵画鑑賞

まずは背景を探る鑑賞法についてです。

主に近代以前の古い美術作品を
鑑賞する際に使う鑑賞法です。

作品の背景とは、
作品が制作された意図や時代背景、
テーマなどをさします。

美術には必ず
その時代の人の営みや思想、
私情などが込められてます。

なのでそれらの知識を
踏まえたうえで絵画をみることは、
表面上にない部分を探っていく
ことともいえるでしょう。

やや敷居が高いと感じるかもしれませんが、
本やネットに情報は溢れているので
調べて鑑賞するとまた違った見え方が
するはずです。

 

背景を探る鑑賞法

☑作品の制作意図や時代背景などの知識をもって鑑賞する方法

☑美術がわかれば歴史がわかる

☑グローバルな教養としても注目されている

絵.cocoroでも美術史の勉強はできるので
ご興味のある方は覗いてみて下さい。

ちなみに現代アートでは、
この鑑賞法が使えません。
理由は近代以前のアートと現代アートでは
定義や楽しみ方が異なるからです。

その部分に関することは以下の記事を
参照してみて下さい。

作品そのものと向き合う鑑賞法

 

VTS

次は作品そのものと向き合う鑑賞法です。
この鑑賞法は知識を使いません。

感性や感覚を大切にするので
左脳人間(男性に多い、私もその1人)
には難しい鑑賞法かもしれません。

しかし、創造性を高めたり
脳を鍛える効果が実証されている
鑑賞法で、近年注目され始めています。

この鑑賞法では、自分が作品から
なにを感じたか、なにを思ったかを重視します。

 

作品そのものと向き合う鑑賞法

☑知識は全く必要ない

☑作品を見て、自分がなにを感じたかを重視する

☑脳を鍛える効果が実証されている

方法などに関しては
こちらの記事で詳しく紹介してます。

鑑賞法を使い分けてみる

 

2種類の鑑賞法を解説しました。

ここからは実際に、
1枚の絵画を使って鑑賞法を
使い分けてみます。

↓例題↓

印象、日の出

有名絵画ですね。
見たことある人も多いでしょう。

それではまず、
作品そのものと向き合う鑑賞法を使って
鑑賞したとします。

↓その結果↓

☑中央の船には2人の人影がある

☑全体的に霧がかかったような絵で、朝か夕方か分からない

☑日の出なのか、日没なのか

☑左奥には煙突のようなものが見える。工場地帯なのか、霧の正体は煙なのか

☑悲しい雰囲気を感じる

感じ方や注目した部分は人それぞれ
違いますが、
大切なのは感じたことを言語化することです。

それではもう1つの
背景を探る鑑賞法で同じ作品を
見たとしたらどうでしょう。

印象、日の出
モネ「印象、日の出」1872年

↓その結果↓

☑この作品は1874年の第1回印象派展に出品され、罵詈雑言を受けたことで有名な作品

☑モネはこの作品について「ル・アーヴルで部屋の窓から描いた作品で、霧の中の太陽と、そそり立つ何本かのマストを前景に描いた」と述べている

☑モネの風景画に特徴的なのは水平線をあえて上部に描くことで光が反映する水面を大きく描いていること(伝統的な風景画は水平線を下部に描き、空を大きく描く)

☑この作品は印象派の画家に特徴的である大胆な色彩と平面的な筆致による筆触分割が顕著に見られる作品

美術の面白いところは知識の有無はもちろん、
その時の心境や環境、思考の癖で
同じ作品でも全く違う見方ができることです。

知識を付けてみるもよし、
知らないままみるもよし。
美術と向き合うことは、
新たな視点の気付きに繋がります。

心情が作品の見方に影響する

 

『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』
『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』

この絵は葛飾北斎が描いたことで有名な
富嶽三十六景 神奈川沖浪裏です。

実はこの絵は2011年の東日本大震災後、
作品から受ける印象が変わった人の多い絵
だそうです。

災害を経験した人は
この絵を見て当時の津波などを思い出し、
様々な感情を呼び起こされるのだとか。

この話では当然、
絵の内容は変わっていません。
変化したのは鑑賞者の心です。

美術と向き合うことで、
自分の物事の見方や癖に気付くことがあります。

まとめ

 

VTS

☑鑑賞法の中には「作品の背景を探るもの」と「作品そのものと向き合うもの」がある

☑どちらも美術を更に楽しむための鑑賞法

☑鑑賞者の知識の有無や心境が見え方に影響を与えることがある

歴史のそばには、
必ず美術の存在がありました。

あなたの美術鑑賞が
より充実したものとなりますように。