【現代アート入門】現代アートはなぜ難しいのか/楽しみ方は?(後編)

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記事の要約

☑現代アートの見方を解説

☑考えるためにみる

☑俯瞰して、動いて、考える


 

前編では現代アートが
なぜ難しいのか、
その理由を美術史をふまえて解説しました。

そもそも現代アートは
みるだけで楽しむものでは
ないんです。

後編では
現代アートの楽しみ方
具体例とともに解説します。





現代アートの楽しみ方

 

現代アート

現代アートはみて終わりではありません。

考えることが重要で、
むしろ考えるためにみるという
表現の方がよいかもしれません。

また、現代アートは絵画だけではなく、
空間や写真、動画、自然、公共の場など
表現方法や場所が多岐にわたります。

わからない…を前提に
一歩現代アートに
近づいてみましょう。

空間をみる

 

実際に私が鑑賞した、
2020年横浜トリエンナーレの作品
例にみていきましょう。

回転する森
出典:日々楽シイ生活ヲ

これは会場である横浜美術館の
入口を飾った作品です。

画像では伝わりにくいですが、
かなり広範囲の空間に広がった
現代アート作品です。
(作品の動画もあります)

作品を鑑賞するときに
まず意識するのが、
空間を観察することです。

作品を遠くからみてみる。
俯瞰してみる。
俯瞰することでしか
わからないこともあります。

動いてみる

 

空間を俯瞰してみたら、
次に動いてみましょう。
みる角度を変えたりしてみます。

回転する森
出典:クラシック音楽とアート

別角度から。
この作品では、
天井から吊り下げられた
ワイヤーにキラキラした物体が
無数に取り付けられています。
(床に光が反射しています)

風が吹くと
ワイヤーに付いた物体は
回転し、よりキラキラします。

回転する森

少しだけ近づいてみました。
色とりどりの物体です。

今度はくるくる回る物体に
注目してみます。

 

 

回転する森

…!?

俯瞰するだけではわかりませんでしたが、
この作品の一部にはこんな形のものが
ありました。

拳銃ですね。
これはなにか大きなヒントになりそうです。

作品からなにを感じたか考える

 

さて、拳銃というヒントを
得ましたが、正直まだなにを伝えたいのか
わかりませんよね。
作品をよくみた後は
なにを感じたか、どう感じたかを
しっかり考えていきます。

ここまで得た情報は、

・広い空間に無数のキラキラ
・風が吹くと回転する
・その中の一部に拳銃がある

ちなみに今回は割愛しますが、
実際に現場で鑑賞すると
とか匂いとか雰囲気とか
目にみえないもの全てが考える材料に
なります。

五感で楽しむのも
現代アートの楽しみ方です。

回転する森

では、この作品から
私が考えたことをお伝えします。
(個人的意見です)

まず、私の中で拳銃のイメージは
物騒で、平和的なものでは
ありませんでした。
反面、拳銃以外を取り囲む空間は
キラキラしていて華やかです。
ここにどこか違和感を感じます。
また拳銃はアピールされているものでは
なく、現場でも気付く人と気付かない人が
いました。
ここに隠されたメッセージ性を感じます。

そして風が吹けば
拳銃の銃口もくるくると回転します。
私はここにどこか恐怖感を覚えました。

一見、華やかな世界に潜む恐怖。

ざっくりとですが、
これが私の感想です。
あなたは作品からなにを
感じましたか?

考えた後は…

 

答え

材料をもとに考えた後は
自分なりの答えを出します。

そこで1作品と
向き合うのは終了です。
もしかするとここで
答え合わせがしたいと思う人も
いるかもしれません。

ただ現代アートの楽しみは
自分なりに考えることであって、
正解を導くことではないのです。
ここがものすごく重要です。

別の記事でも解説していますが、
正解のあるものをアートとは
呼べないんです。

アートは常に自由で、
抽象的なものなのです。

どうしても知りたければ調べる

 

社会

どうしても
気になる作品は、
芸術家の名前作品名
覚えておいて、
あとで調べましょう。
すると芸術家が
どういう想いで作品を
作ったのかわかることが
あります。
ただし、別にそれが
正解ではありません。

「こんな考えがあったんだな」
「自分はこう感じたけどな」

と、自分の意見と比較する
程度で大丈夫です。
以上のプロセスを踏まえることで、
みるだけの受け身的な鑑賞ではなく、
作品と鑑賞者との間で思考のやりとり
が交わされる相互的な鑑賞
可能になります。

考えたくなければスルーでいい

 

スルー

これも大事なことですが、
たくさんの作品があると
当然、気になるもの
気にならないものがあります。
好き嫌いも個人の自由なので、
興味が湧かないものは
スルーして大丈夫です。

他人の意見を聞くのも面白い

 

聞く

現代アートを家族や友人など
複数人でみに行く場合、
同じ作品をみて感想を
言い合うのも面白いです。
同じ作品をみても
感じ取り方は千差万別です。
感性の違いに気付けるのも
アートの楽しみ方です。

ちなみにさっきの作品は…

 

回転する森

では最後に、
トリエンナーレの作品は
どういう意図で作られたのかを
ご紹介します。

あの作品は、
ニック・ケイブというアーティストが
作った「回転する森」という作品です。
くるくる回るのはアメリカの庭などでよく
使われているガーデン・スピナー(風車
これはアメリカ社会を象徴しています。
そしてその中に隠れる拳銃。
あれはアメリカで蔓延る人種差別や銃による
暴力を表現しているそうです。

つまり一見華やかですが、
本当は現代のアメリカ社会の問題を
提示している作品なんですね。

ちなみに、
現場には銃の存在に全く
気付いていない鑑賞者もいることを
述べましたが、
目の前で起こっている差別にも
気付いていない人がいる。
という偶発的かもしれませんが、
別のメッセージも私は感じました。

まとめ

 

問題
☑みるだけのアートではなく、考えるアートの時代がきている

☑考えるためにみることが大事。ただし興味のない作品はスルーで〇

☑気になった作品は調べたり、他人の意見も聞くとより感性が刺激される

いかがでしたでしょうか?

現代アートの楽しみ方が少しでも伝われば
嬉しいです。
ちなみに作品をみて
なにを考えるのかよくわからない方
いると思います。
そんな方はこちらの記事
参考にするとよいかもしれません。

アートと触れ合い、
創造性を高め、
より豊か生活を送れるといいですね。